近年、日本のサッカーファンにも知られる存在となったタイのプロサッカーリーグ「タイ・プレミアリーグ」で活躍する日本人サッカー選手たちにスポットを 当てながら、タイ・サッカーの魅力を紹介するシリーズ第2回。今回はチームのキャプテン、監督として、リーダーシップを発揮するサムライたちを紹介します。
【Interview4】
キャプテンを務めるベテラン日本人
河村崇大(かわむら・たかひろ/35歳)
MF/ジュビロ磐田→TOT SC
Jリーグでは黄金時代のジュビロ磐田などでプレー。
豊富な経験を生かしてタイ・プレミアリーグ唯一の日本人キャプテンとして活躍するベテランは、今季でタイ6年目を迎える。

1979年、静岡県出身。ジュビロ磐田ユースからジュビロ磐田へ。セレッソ大阪、川崎フロンターレ、東京ヴェルディでプレー。アルゼンチン・リーグ(CAリーベル・プレート)での経験もあり。2010年からポリス・ユナイテッド、2011年よりTOT SCに在籍する。主にボランチとして攻守にチームを支える。
■サッカーを続けられることに感謝
――1年目の2010年と比べて、リーグに変化を感じますか?
「レベルもだいぶ上がったと思いますし、お客さんも入るようになって環境も整ってきたと思います。選手の給料も上がっていますよね。僕はあまり実感がないですけど(笑)」
――河村選手は、待遇面では大きな変化はありませんか?
「(タイ・リーグの変化として)噂されているような大きな変化はないですね。ただ、僕はそういうことはどうでもいいんです。この年齢になってサッカーをやらせてもらっていることに感謝しているし、できるだけ長く現役を続けたい。そのためにはお金じゃなくて、怪我をしないとか、試合に出続けることが大切だと思っているので」
――いつ頃からそういう考え方になったんですか?
「タイに来て最初のチームだったポリス・ユナイテッドで、日本ではありえないことですけど、2年契約のところを1年でクビになったんです。そこから、『タイ人に認めさせたい』『どうにかして生き残りたい』という気持ちが強くなって変わったのかな、と思います」
■いつの間にか「大好き」になったタイ
――試合ではキャプテンマークを巻いていますよね。
「キャプテンをさせてもらえるというのは喜ばしいことだし、感謝しています」
――いろいろと文化の違いもあると思いますが、どういうスタンスでやっていますか?
「時間にルーズなところとかは慣れました。だからといって自分もそれに合わせるわけではなくて、練習でも必ず一番に行きます。それをやり続けていると、だんだんほかの選手も早く来るようになってきたんです。このチームで5年目ですけど、TOTはあまり選手も変わっていないので、最初の頃よりはかなり選手の意識も変わったと思います」
――タイの文化も尊重しながら、という感じですか?
「タイのことが好きじゃないとか、受け入れられない選手はいられないと思いますね。文句を言うより、サッカーをやらせてもらっているという感謝の気持ちを持っているほうがうまく行く気はします」
――河村選手は、タイが好きですか?
「大好きですね、最初はそんなことなかったんですけど……。なんなんだろう、何がいいのかと言われるとよくわからないんですけど、なんかいいんですよね(笑)」
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