外国人で溢れ返る銀座のユニクロ
素朴で微笑ましい中国人夫婦の姿

「反中ムード」に押し潰される在日中国人の知られざる傷心やや上向き加減で落ち着いてきたかに見える日中関係。しかし、日本で暮らしている中国人の中には、「反中ムード」の重圧をひしひしと感じている人もいる。彼らの「傷心」に迫る

 やや上向き加減で落ち着いてきたかに見える日中関係。「爆買い」報道も一段落したが、筆者は先日訪れた長崎で、やはり中国人の団体観光客を大勢見かけた。偶然同じ土産物店にいたため気がついたのだが、筆者から見て、特に彼らのマナーが悪いという印象はなかった。ただ、買い物を終えた数人が、道路の路肩にどっかりと腰を下ろし、座り込んでいる姿は目に飛び込んできた。

 路肩に座り込むといえば、東京・銀座で頻繁に見かける中国人も同様だ。銀座によく行く人は目撃していると思うが、とにかく中国人団体観光客の数が多い。個人客もいるとは思うが、集団で歩いているので目につきやすいのだ。

 大きな買い物袋を提げて、歩行者天国に設置されたパラソルの下を陣取ったり、数人で横に並んで路肩に座ったりしている。特に週末は、まるで上海の繁華街・南京路を歩いているのではないか、と錯覚するほどの光景で、日本人はあの中国人の数とパワーに圧倒されてしまうのではないかと思った。

 6月中旬、筆者は銀座6丁目のユニクロで買い物をしていて、ある中国人夫婦から声をかけられた。そのときのやりとりがとても印象的で新鮮だったので、後日、一連の出来事をSNSに書いた。内容は次の通りだ。

 実は、この書き込みがきっかけで、筆者にとってはとても深刻で、かつ残念な騒動に巻き込まれてしまったのだが……。まずはそのときの内容を、正直にここで“告白”することにしよう。

「銀座のユニクロは70%が中国人、15%がその他の外国人、15%が日本人というほど中国人が多い。4階のレジに並んでいたら、後ろに並んだ中国人夫婦に、普通に中国語で話しかけられた。免税のことを聞きたかったらしいので、6階の外国人専用カウンターに行くように教えてあげたが、そのまま動かず、4階のレジの日本人にも普通に中国語で話しかけていた。店員は困って苦笑。中国人の夫は気にせず、リンゴ1個をまるかじりしながら、やけに楽しそう。リンゴは銀座8丁目の『肉のハナマサ』で買ったらしく、とてもおいしそうだった(笑)」

 このように、筆者は銀座での体験談をそのまま書いた。決して中国人を“批判”しようとして書いたわけではない。ただその出来事に驚き、中国人夫婦(服装やしゃべり方などから、明らかに田舎の出身者だった)の自由なふるまいに唖然としつつも、どこか素朴で微笑ましいな、という気持ちを込めて書いたつもりだった。