ペットボトルはコカ・コーラと
ペプシのために発明された

ペットボトルの形には、深い秘密がある

 スーパーやコンビニエンスストアに行って、飲料売り場(*1)を眺めてみれば、何十種類ものペットボトルが目に入るでしょう。そのカタチには、一体どれだけの秘密や特許が隠れていることでしょうか。

 今回は、そのカタチの秘密に、迫ってみましょう。ぜひ、お子さんや周りの子どもたちとご一緒に。

 まずはその歴史と製造法などを簡単に見ておきましょう。ペットボトル(英語では通常、Plastic Bottleと呼ぶ)はPETボトル。ポリエチレンテレフタレートを原料とした、軽量安全な飲料容器です。

発明したのは化学者のナサニエル・ワイエス(*2)。デュポン史上、はじめてフェローの称号を手にした天才エンジニアです。彼は1967年から「炭酸水をガラスでなくプラスティック容器に入れられるか?」を考え始め、ついに1973年、開発に成功しその特許を取りました。

 それはコカ・コーラとペプシのための発明ともいえました。翌74年からすぐ使われ、それまで厚くて重いガラス容器に閉じ込められていた炭酸飲料を、解き放ったのです。スーパーでは大容量コーラの売れ行きが伸び、容器の破損事故や夏の破裂事故も劇的に減ることになりました。

 さてここから、カタチの話です。ペットボトルにはいったい、どんなカタチのものがあるでしょう?

ペットボトルのカタチは?
円柱と四角柱と……。

 ペットボトルのカタチ、頭の中にいくつ思い浮かぶでしょう? 具体的に、紙に書いてみてください。

 円柱に四角柱に……。6つ書けたら優秀です。

 でもできれば頭の中を探すのではなく、コンビニエンスストアやスーパーの飲料売り場の前に佇んだり、ベンディングマシンを睨んでみたりしてください。さまざまなカタチのものが見つかるはずです。

*1  コンビニエンスストアでは売上の2割が飲料系である。かつ、集客ツールともなっている。
*2  Nathaniel Wyeth(1911~1990)。デュポンの技術者として成功し、25の製品を発明した。画家のアンドリュー・ワイエスは6歳違いの弟。