売り手市場でも就職が決まらない大学生の特徴今年は売り手市場にもかかわらず、まだ内定のない学生も…

 世間では売り手市場と呼ばれる今年の新卒採用。相次ぐ内定辞退や採用予定数に達しないとの理由から、内定式を延期したり、今後も募集活動を続ける企業も多いと報道されています。それにもかかわらず、全く就職が決まらないという学生も一定数存在しています。

 もちろん就職支援者としての立場から言うと、そんな彼らは大切なお客様ということにもなるのですが、自分の身内や周囲にそうして就職が決まらない人がいるのは寂しいものです。

 そこで今回は、そんな人を一人でも少なくしたいという思いから、売り手市場でも就職が決まらない人にはどんな事情があるのか、大きく3つに分けて整理してみます。

そもそも就職活動を全く行っていない

 リクルートキャリアの「就職みらい研究所データ」が発表した『就職内定状況(2016 年卒)【速報版】(2015年10月1日時点)』によると、就職内定未取得者における就職活動実施率は80.6%となっています。つまり、そもそも就職活動自体を行っていない人が約20%も存在しているのです。

 ニュースなどで「売り手市場」だと言われているせいか安心して活動が遅れている場合や、企業自体にこだわりが少なく(また情報収集をあまりしておらず)、これから就職活動を始めようとする場合などもこれに含まれます。あるいは完全に動き出しが遅れてしまい、「今さら何をしたらいいか分からない」状態で全く就職活動を行っていない場合もあります。

 実際に全国各地で行われている就職支援では、参加資格に既卒数年以内といった条件が提示される事が多く、また実際には大学等への在学時に真剣に就職活動をやってこなかったという方の参加も決して少なくありません。

 こうした学生の特徴としては、ただ単に「面倒だった」や「働きたくなかった」という思いで、就職活動を避けていただけで、いわゆる能力が低いというわけではありません。ですから、就職支援をすると、比較的スムーズに就職できることが多いと言えます。やればできるのにやって来なかったというパターンです。