4つの企業風土がもたらす無茶な要求
ワンマン企業はチャレンジの巣窟?

 チャレンジを引き起こす原因となる企業風土、そのパターンはいくつか存在するが、今回多かったものに関しては、「ワンマン企業」「根性教育」「無意識の定着」「大手の下請け」という4つのキーワードで、その企業風土を表現できる。

 それぞれの企業風土について、チャレンジ体験談を紹介しながら見ていこう。まずは「ワンマン企業」におけるエピソード。これについては、多くの人が「いかにもチャレンジが起きそうな企業風土だ」と感じるのではないだろうか。

 実際、ワンマン企業におけるチャレンジ体験談として、こんな話が聞かれた。

「教育イベント会社に勤めている。先日、競合他社が1年ほどかけて新スタイルのイベントを始めた。それに焦った社長は『同じイベントを1ヵ月以内に実施しろ!』と要求。そんなこと1ヵ月でできるわけがないし、細かい内容については社員任せ。しかも、2週間ほど経つとそのことはもう忘れていた」(33歳/教育系)

「ある日突然、会社の業種とはまったく関係ないスポーツジムをつくるように言われた。会長の思いつきだが、どうやら『高齢者向けのジムが近頃はやっている』というのをニュースで見たらしい。しかし、うちの会社にジムをつくるノウハウなんてない。社員全員で途方にくれた」(40歳/制作会社)

「正月商戦で、他社はおせち料理を売り出しているのに、なぜかうちの会長は『おせち料理ではなくお弁当で勝負しよう』と言ってきた。渋々やったが、やはり大失敗。正月にお弁当を持って出かける人は少ない。そのマーケティングができていないのに、失敗したのは『商品のクオリティが悪かったから』と延々説教された」(38歳/食品加工)

 ワンマン企業のチャレンジとして多いのは、トップの「思いつき」。特に、トップが自分で立ち上げて発展させた企業の場合、彼らは「自分のつくった会社だから自分の思い通りにする」という意地がある。また、自分の判断やセンスに絶対の自信を持っている。だからこそ、たとえ無茶な思いつきでも頑なにそれを信じて、反対意見には耳を貸さない。そして、社員に徹底要求することが多いようだ。

 また、ワンマン企業だからこそ、トップの怒りを恐れた管理職が部下にチャレンジを突きつけることもある。次のようなものだ。