昨年10月以降の円レートは、対ユーロで円高、対ドルで若干の円安だが、対アジア通貨では円安が進行中だ。

 昨年10月1日から4月20日まで韓国ウォン、台湾ドルは円に対しておのおの9.7%、6.2%上昇、それ以外ではマレーシアリンギが12.4%、インドルピーが11.6%、豪ドルが11.5%の大幅高となっている。

今後もアジア通貨高は続くと見ているが、これは日本の業績や株式市場にとってプラス要因だ。

 理由の1つは、アジア各国で今後利上げが見込まれることだ。金融危機からの景気回復はアジア地域が世界で最も先行しており、その一方でインフレ圧力も高まりつつある。

 そうしたなか、豪州、マレーシア、インドはすでに利上げを開始したが、この3ヵ国の通貨の上昇率は特に高い。

 それ以外では、中国が預金準備率を引き上げたほか、シンガポールは自国通貨高を容認することにより実質的な引き締めスタンスに舵を切った。