東京大学大学院経済学研究科・柳川範之教授

 また、「不確実性が高い世の中だから、こうなったらこうするというシナリオを数パターン考えておく」(柳川教授)ことも重要だといいます。良いシナリオ、普通のシナリオ、悪いシナリオの3パターンでも十分です。

 現在、年金の支給開始年齢は65歳ですが、さらに年齢が引き上げられるとも囁かれるなか、定年以降も働かなければならない人も少なくないでしょう。「仕事をしたくない」という20代の人は少なくありませんでしたが、どんな人であれば、定年後も仕事で活躍できるでしょうか。

「これまで特定のコト、上司から与えられた仕事だけをしていた人は、定年後とまどうことになります。定年後は急に『自分でやりたいことをやればいいよ』と自由を与えてしまうからです。大学に入ってから『自由』を与えられて戸惑ってしまう学生と近いかもしれません。一方で、意欲・好奇心を失わない人は定年後もいきいきと活躍できます。しかし急にそうなれるわけではありません。若い頃から目新しものを見るようにし、普段から今の仕事とは違う世界の目を向けることが大切です」(柳川教授)

 例えば、65歳で定年を迎え、90歳まで生きることになれば、25年もの間を“定年後”として過ごすことになります。年齢を重ねるにつれて仕事をする・働く概念も、お金のためだけではなく、社会や地域貢献といった意味のあるものへと変わっていきます。そうした変化に対応するためにも、今いる会社だけに居場所を求めるのではなく、若い頃から世界を広げておくことがこれからの時代を生き抜くために重要になりそうです。

(ダイヤモンド・オンライン編集部 林 恭子)