入籍の半年後、男性は相手の女性から150万円を受け取ったという。相場を尋ねると、「だいたい100~150万円」とのこと。

「金は生活費なんかに遣いました。友人がブローカーにつながっているかどうかって?そんなことはないんじゃないですか。

 自分としても別に不都合なんてありませんよ。デメリットはせいぜいバツイチからバツ2になるくらいですか。こちらで結婚して3年以上、日本に住んでいれば永住権を得られますから。そうなればまあ、たいていは離婚ということになります。

 ただ、今後本当に好きな女性ができて、それが外国人だと困るかなあ。2度続けて外国人と結婚するとなれば、入国管理局も疑いの目を向けるだろうし。じつは今、海外旅行先で知り合った娘が気になっているんですよ。

 ええ、親には入籍のことは一切話していません。そりゃそうでしょう。どうしたって言えっこないですよ……」

興行ビザに代わる
隠れ蓑「国際結婚」

 戸籍ビジネスの代表格ともいえる「偽装結婚」。昔から存在する貧困ビジネスだが、ここにきてひそかに広がっているのだろうか――。

 人身売買禁止ネットワーク共同代表の大津恵子さんはこう説明する。

「2006年に興行ビザが厳格化されましたでしょう。かわりにさかんに行われるようになったのが国際結婚なんです」

 エンターテイメント活動のための「興行ビザ」は、80年代からアジア女性が来日する際の“隠れ蓑”として、便利に使われてきた。

 だが、シンガーやダンサーとしてやって来たはずの彼女たちが強制されたのは、ホステスやストリッパーの仕事、そして「テンガイ」「ドーハン」といった名の売春行為だ。たいていは驚き、辞めようとするが、そうはいかない。来日に際し、ブローカーから約400万円もの架空の借金を背負わされているからである。暴力や脅迫でがんじがらめにされるケースも多い。

「ILOでは日本を『人身売買の最大の受け入れ国』と報告。国際的に問題となりました。これを受けて、日本は2004年に人身売買罪を新設、その翌年、人身取引対策行動計画を策定しています」