国内2位の第一生命保険は4月1日、相互会社から株式会社へとその器を替え、4大生保としては初めて東証1部に上場した。渡邉光一郎社長にその狙いを聞いた。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部 野口達也)

第一生命保険 渡邉光一郎・社長 <br />「相互会社は思考に限界あり<br />成長加速で株主に満足を」第一生命保険社長 渡邉光一郎
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─なぜ株式会社化、上場を進めたのか。

 日本の生命保険会社は、まさに日本の縮図だ。少子高齢化で縮小していく日本は課題が山積している。われわれも保険契約という長い約束をしており、縮小する日本にとどまっている限り、守っていくのは大変だ。まだ余裕がある今のうちに業務改革を行い、海外などの成長分野に投資していく必要があるが、それには株式会社がやりやすいと判断した。

─アジア市場の成長性はすごいが、市場規模はまだ小さい。

 第一生命保険は財団法人国際保険振興会を通じて、5000人以上のアジアの保険関係者に対して国内外で保険の普及に向けた研修を行ってきた。アジアに人脈が広がっており、これを活用しない手はない。今後はアジアでも貯蓄商品から保障商品へのシフトが進むと見ており、日本の保険会社が持つノウハウを活用できる。欧米への進出は否定しないが、時期尚早だろう。