聡さんは恥ずかしげもなく、「妻の揚げ足とり」をしようしたのですが、そもそも、おかしな話です。なぜなら、早ければ「付き合い始めるとき」、遅くとも「婚姻届を提出するとき」には、聡さんは彼女の年齢を把握していたはずだからです。結婚前提の交際を始めるのなら、相手の年齢は最大関心事ですし、万が一、彼女が途中までサバを読んでいたとしても、婚姻届には実年齢(生年月日)を記入しなければならないので一目瞭然です。

 もともと2人の子どもが欲しいのなら、最初からもっと若い子と結婚すれば良かっただけでしょう。今さら38歳の新妻に向かって「君は年をとりすぎているから別れてほしい」などと切り出すなんて無謀すぎると言わざるを得ませんが、本当に年齢だけがネックなのでしょうか?

 聡さんは安くはない料金を払い、私のところへ相談しに来ているにもかかわらず、あろうことか隠し事をしていたのです。聡さんが隠せるものなら隠したかった秘密とは一体、何なのでしょうか?聡さんはようやく観念したのか、やっと本音を口にしたのです。

「繰り返すようですが、妻に不満はないんです。でも、もっと良い人がいるのでは?と思い始めてしまって……」

「結婚」とは人生を左右するほどの一大事ですから、聡さんのようなマリッジブルーは誰しも大なり小なり経験するでしょうが、いくらなんでも手遅れです。生涯の伴侶は本当にこの子でいいのかどうか……そんなふうに自問自答するのが許されるのは、あくまで結婚「前」に限られますが、聡さんはどうなのでしょうか?

 婚約、結納、結婚式、披露宴、入籍、新婚旅行……もし、どこかのタイミングで引き返すのなら早ければ早いほど傷は浅かったはずです。それなのに聡さんは何もしないまま、「皆勤賞」を取ってしまったのだから完全に後の祭りでしょう。何しろ両親や親戚、友人や同僚の目の前で、すでに永遠の愛を誓ってしまったのだから。そして1つ1つの順序を踏んで今に至っているのに何を今さら……。

「もっと若い子と結婚したい」
煩悩で留まらず現実の世界に

 ここまで話を進めてみると、聡さんの本音を的中させるのは、いとも簡単でした。聡さんの言葉をつなぎ合わせると「妻は2人目の子どもが望めない」+「もっと他に良い人がいるのでは」=「もっと若い子と結婚したい」という結論を導き出すことができます。もちろん、聡さんははっきりと言わず、最後まで言葉を濁したままでしたが。