2016年の幕が開けた。2015年は、あるゆる分野でIoTの火の手があがった。例年年頭にラスベガスで行われる世界最大の家電の祭典、コンシューマ・エレクトロニクス・ショー(CES)は今年も盛況だった。昨年は、IoTの一般市場への大々的なデビューが衝撃的だった。「車もつながるモノにすぎない」などという話題がCESショーでは持ちきりとなった。今年のCESは、新しいパラダイムよりも、その波に乗ってあらゆる分野の企業がIoTに参入する段階に入った印象だ。

 これまでの20年は、ソフトウェア、ネットワーク、インターネットを中心に新産業を創出した時代であったが、これからの20年は、IoTが新産業創出のドライビングフォースとなるに違いない。今までの新しいIT革命が生活の基盤となり、その対象が今度は「モノ」にまで広がる。

 この1年は、既存ITインフラを使ってあらゆるアプリケーションを考えつくそう、という流れだった。先陣を切ったFitbit(活量計、時価総額37億ドル*)やNest(ホーム空調コントロール、32億ドルでGoogleに買収)を見た起業家が2匹目のドジョウとばかり、あらゆる分野に参入してきた。(*:2016年1月18日時点)

 以下は、2016年1月18日時点でVenture Scanner社がリストアップしたIoT分野とそれぞれのベンチャー企業数・投資総額だ。

日本の経営者には <br />「ものづくりのプライド」に打ち勝つ覚悟があるか

 今までのハードウェアと違うのは、データがクラウド側アプリケーションで管理され、スマートフォン上で様々な分析が簡単に行えること。ユーザーのコミュニティを作るなど、SNS時代のアプローチだ。

 ハードウェアそのものは非常に単純だが、クラウドのサービスという新たな価値提供で一気に雨後のたけのこのように事業拡大した。現時点のクラウドインフラで可能となる分野をなめ尽くした感がある。対象は、スポーツ、赤ちゃん、ペット、介護、ヘルスケア、ホーム、農業、など百花繚乱である。