幹部が大量辞職 <br />正念場を迎えたツイッターツイッターの本社が入るビル(米国サンフランシスコ)Photo by Noriko Takiguchi

 ツイッターで、大掛かりな再編成が起こっている。

 ツイッターは最近ユーザーの伸びが鈍化して勢いがなくなり、その先行きが危ぶまれてきた。今でも毎月のユーザーが3億人おり、まだ人気のSNSであり続けてはいるが、急成長するスナップチャットなどの新手のサービスの影でかつての存在感が薄くなってきたことは確かだ。

 昨秋には、共同創業者のひとりで、シリコンバレーではカリスマ的人物として知られるジャック・ドーシーが正式にCEOとして舞い戻り、ユーザーにも社員にも彼の存在とブランドが確実に安心感をもたらすはずとされていたのだ。

 ところが、同社の株価はどんどん下がり、そのうちどこかに買収されるのではないかといううわさも飛び交うようになった。買収するのは、グーグルかヤフーか、はたまたニュース・コープかなど、いろいろな名前が出ていた。皮肉なことに、買収の噂が出ると株価がちょっと上がったりしたのである。

「ヴァイン」トップを含む
重要幹部が一度に退職

 そんな中、先週同社からエグゼクティブたちが複数辞めていったのである。すべて副社長レベルで、メディア担当、プロダクト担当、エンジニアリング担当、人事担当らだ。加えて、ツイッターが買収したビデオアプリケーションである「ヴァイン」のトップも辞職した。ツイッターの中ではすべて重要なポストである。

 一部では、彼らはドーシーによって解雇されたと言われているのだが、真実は不明だ。ただ、ドーシーがその「噂をただすため」にとして発表した社員へのレターが、これまた解雇説を強化した。辞めたエグゼクティブたちの業績をたたえながら、「彼らは、休みをとるに十分な働きをした」との一言。やっぱりこれは「首」ではないかというのが世間の見方だ。

 ドーシーは、ツイッターに戻ってから無策でいたわけではなく、社内を刷新するためにいくつもの手を打ってきた。

 そのひとつは、社員数を減らすこと。全社員の8%にあたる300人をレイオフして、もっと少人数で開発の速度を上げるような体制へもっていくことを明らかにした。彼から見ると、ツイッターはすでに大企業病的でスピード感を失っていたようだ。