橘玲の世界投資見聞録 2016年2月4日

とにかく無駄が多いインドのパスポートと交通事情について
[橘玲の世界投資見聞録]

チェックインの前に預け入れ荷物を検査場へ

 インドの空港では、出発のときの安全チェックもきわめて厳しい。

 空港構内に入るときにパスポートと搭乗券をチェックし、荷物を金属探知機に通すのだが、これは他の国の空港でもやっているところがある。今回はじめて体験したのは、チェックインの前に乗客が自分でスーツケースなどの預け入れ荷物を検査場に持っていくことだ。

 航空会社ごとにX線検査のコーナーがあり、ここで危険物が入っていないかどうかを確認し、スーツケースのキーの部分にシールを張ってもらう。それを確認してはじめてチェックインカウンターでスーツケースを預かってもらえるのだが、出発便が重なると長蛇の列になることがある(私は幸い短時間で済んだ)。

 チェックインが終わると航空券といっしょに荷物用のタグが渡されるので、それをリュックなど機内持ち込みの荷物につけて検査場に向かう。ここでの検査は男女別に行なわれ、空港ごとに若干の違いがあるのだが、チェンナイ空港では次のようだった。

(1) 荷物検査場でカバンやリュックからパソコンを出し、携帯やスマホなどをカバンに入れて係官に渡し、番号札を受け取る。

(2) その後ボディチェックの列に並び、金属探知機を通ったあとに係官からボディチェックを受ける。

(3) その間、カバンやリュック、パソコンの検査が別に行なわれていて、それが台の上に山積みになっている。そこから自分の荷物を探し、係官に番号札を渡して受け取る。

 機内持ち込みの荷物には財布など貴重品を入れているひとも多いから、荷物と引き離されるとかなり不安だ。そのため、背伸びして自分の荷物がどのように扱われるか確認しようとしたり、先にボディチェックを終えた友人などに荷物を見てくれるよう身振り手振りで指示したりするひとが続出して、混乱に拍車をかけることになる。

 女性の場合は金属探知機を通ったあとブティックの更衣室のような場所でボディチェックを受けるため、バッグなどが完全に視界の外になってしまう。南インドにはムスリムが多く、ヒジャブなどをつけた女性の顔を確認しているのだろうが、こちらはさらに不安だろう。

 混沌とした手荷物検査場をようやく抜けたと思うと、また列ができている。安全検査を受けると手荷物のタグにスタンプが捺されるのだが、出発ロビーの入口に別の係官がいて、そのタグを一つひとつ確認しているのだ。検査を受けていない荷物を持っているはずはないと思うのだが、ここでも二度手間をかけるのがインド流なのだろう。

 このように空港での安全検査はきわめて厳重で、どこかで滞るとたちまち長い列ができるので、空港には余裕を持って到着したほうがいいだろう。ちなみに、機内持ち込みの荷物のタグは搭乗時にもチェックされる。出発ロビーに無事に入ったからといって、安心してタグを捨ててしまわないように。

 なぜこんなことになるかというと、空港の安全確保に軍と空港警察など複数の行政機関が関与しているからだろう。それぞれの機関は自分たち以外の組織を信用しないので、手続きが適性に行なわれているかどうかを別々に確認しなければならないのだ。

チェンナイ国際空港                (Photo:©Alt Invest Com)

格安移動は、いまもバスが主役

 インドで悪名高いのは空港の白タクだが、今回訪れた空港(ベンガルール、コチ、ゴア、チェンナイ)はどこも到着ロビーにプリペイドのタクシーカウンターがあり、そこで手続きすればいいだけなのでまったく問題なかった。

 タクシーを使うのは空港との往復くらいで、街なかではトゥクトゥク(オート三輪タクシー)がいまだに主役だ。地元のひとは5~10ルピー(10~20円)程度だが、外国人は200~300ルピー(400~600円)を請求される。この外国人料金(ボッタクリ率)は都市によっても異なるが、減額交渉してもせいぜい50ルピー安くなるくらいなので、面倒臭くなって最後は言い値で払ってしまう(その代わりものすごく感謝される)。

 ツアーに参加せずに観光するならホテルで運転手付きの車をチャーターしてもいいだろうが、列車やバスなど公共交通機関に挑戦してみるのも面白い。

 ベンガルールでは駅の隣に巨大なバスターミナルがあり、そこで行き先を確認してバスに乗る。バスには必ず男性の車掌が同乗していて、料金はバスのなかで車掌に支払う。長距離バスやエクスプレスバスは全員が座れるようになっているので、車掌の指示に従えばいいだけだ。

ベンガルールの巨大なバスターミナル        (Photo:©Alt Invest Com)

 


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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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