優秀な人材のとり合いが過熱し、「争奪戦」に陥っている中国。現地で優秀な社員を採用したいと考える日系企業は、苦心していることだろう。中国インテリジェンスのトップに、日系企業が失敗しない「採用の鉄則」を詳しく聞いた。

“採用ブランド”として認知される企業に!<br />中国インテリジェンス流「優秀な人材の獲得法」中国インテリジェンス(英創人材服務(上海)有限公司)の金鋭総経理は、現地で優秀な人材を探す日系企業の関係者に向け、「日系企業のよさをもっとアピールすべき」と力説する。

――中国ビジネスには、どのようなきっかけで関わるようになったのですか?

 私は、日本生まれ、日本育ちの華僑3世です。もともと起業志向が強かったのですが、就職活動で「リクルート」と運命的な出会いを果たし、新卒で入社しました。

 リクルートでは、中小企業の中途採用、大手企業の中途採用・新卒採用という順に、7年間がむしゃらに働き、トップ営業マンになりました。「サラリーマンだったらリクルートがいい。だったら起業はやめて、リクルートで社長を目指すのもいいかもしれない」と考えるようになっていました。

 ちょうど28、29歳のころ、リクルート社内で、中国プロジェクトがありました。常日頃から「日中の架け橋になりたい」と思っていた華僑出身の私は、強く希望してこのプロジェクトに配属されることになりました。プロジェクトでは、なかなか予算がつかないなか、出張を繰り返しながらそのほとんどを上海で過ごし、上司とともに上海でビジネスの立ち上げを行いました。

 そのとき、知人の紹介で中国の人材会社「上海創価諮詢」のトップである孫立平氏と知り合いました。孫氏は、現在弊社の創業経営者ですが、彼のビジネスに対する嗅覚には、深い感銘を受けました。そしてリクルートを退社し、孫さんとのビジネスを始めたのです。

 「中国でナンバー1の人材会社になる」という夢を抱きながら奮闘し、会社の売り上げを倍々ペースで伸ばしていきました。会社立ち上げから10年で、日本の人材サービス業界で2位の存在までに成長したインテリジェンスに出資をしてもらい、事業提携していくことになったのです。インテリジェンスが培ったノウハウ、仕組み、システムを弊社にも導入して、事業拡大スピードを上げようと思ったのです。

 現在弊社は、インテリジェンス中国として、日系企業を中心に、(ヘッドハンティングを含む)人材紹介ビジネスをやっています。