そこで1995年、アスクルは他社の文具や、パソコン用品など文具以外の商品の取り扱いを開始しました。つまり、「つくったものを売る」製造物販モデルに、「仕入れて売る」小売りモデルを付け加えたわけです。

 競合他社の製品の小売りに踏み出すことに対しては社内でも異論はあったと思いますが、ユーザー視点に徹したラインアップの強化はその後のビジネス拡大に大いに貢献することになります。

 そして1997年、プラスは関連会社のひとつを商号変更し、アスクル事業を引き継がせました。「アスクル株式会社」の誕生です。アスクルは独立した流通業者という性格を強め、さらに取り扱いアイテムを強化。

 2007年には個人やSOHO向けサービスとして「ぽちっとアスクル」を開始してターゲットを拡大するなど新しいサービスにも柔軟に取り組み、プラスからの独立以降12年間にわたって増収を継続しています。

アスクル次の一手

 さて、ここからが拙著で取り上げた事例の“続き”です。アスクルは現在、中堅・大企業向けに、小売りモデルから一歩も二歩も先を行くサービスを展開しています。それが「アスクルアリーナ」と「SOLOEL(ソロエル)」です。

 アスクルアリーナとは、インターネットによる一括購買システム。通常のアスクルのサービスに、企業がアスクルでの購買を一括管理する機能を提供し、発注された後の集計、納品確認、仕分け、各部署への配達などをすべて請け負うサービスを付加したものです。アスクルアリーナを導入した企業は購買コストの削減が期待できるというメリットがあります。