非核化に失敗してきた四半世紀
なぜ北朝鮮を止められなかったか

北朝鮮核・ミサイル問題で外交的失敗を繰り返すな2月7日に行われたミサイル発射実験(北朝鮮によれば衛星打ち上げ)。朝鮮中央テレビより    Photo:KFA

 国際規範を全く無視し、核・ミサイル実験を続ける北朝鮮の行動を止めることはできるのだろうか? 同国が核開発を行っていることが明らかになった1980年代末から今日に至る四半世紀の間、国際社会が手をこまねいて見ていた訳ではない。1994年の米朝枠組み合意が2003年に壊れた後、米国、韓国、日本は中国やロシアを巻き込み、北朝鮮を含む6者協議を成立させ、非核化に向けて行動をとってきた。

 しかし2006年に最初の核実験を実施し、北朝鮮は着々と核・ミサイルの高度化に向け実験を重ねてきた。この結果だけを見る限り、日米韓の非核化に向けての外交は惨めに失敗してきたと言わざるを得ない。1月6日の第4回目の核実験及び2月7日のミサイル発射を受け、新聞紙上では中国を巻き込んでの国連安保理決議や独自制裁の言葉が躍っているが、制裁は目的ではなく非核化を達成するための手段であろう。

 制裁後のシナリオはあるのだろうか。従来同様、制裁を実施しても何も変わらず、北朝鮮が核・ミサイル実験を繰り返すといったことで良いのであろうか。これまで何が不十分だったか、いま一度立ち止まって考えてみる必要があると思う。

 これまで北朝鮮核開発問題への対応を困難にしてきたのは、次の四つの理由である。

 第一に、北朝鮮と交渉しても核放棄をさせることはできないのではないかという認識がある。核開発を阻止する目的で、1994年には米朝枠組み合意、また2005年9月には6者協議包括合意がなされた。ただ後から振り返ると、北朝鮮はこの間も一貫して核開発を行ってきたと見られる。従って同国が非核化に向けての明確な行動をとらない限り、交渉をしてもごまかされ、時間稼ぎに使われるばかりであるという思いは日米韓に強い。米国は一時、軍事的手段に訴えることも考えたようであるが、多くの施設が地下に隠されている北朝鮮への空爆は効果が薄い。