かねてから懸念のある交通アクセスの問題についても、こう説明した。

「新宿・池袋当たりの午前中配送が難しくなるのではないか、という話も出ていて、みんな怒っています。都からは、全然説明がありません」

 さらに、施設の設計についても、業界内で合意形成されていなかったという。とくに、床の積載荷重について、中澤氏は言及する。

「どんな物流施設でも、フォークリフトの使用を前提に、㎡あたりり1.5tが最低限のスペックです。しかし、豊洲市場の床積載荷重は、卸売場が1t、仲卸売り場が700㎏しかありません。すぐに床が抜けることはないでしょうけど、50年後の人たちに残す市場になっていない」

土壌汚染問題の担当課長に聞く
“魚屋”たちの思いは報われるか?

 結論を焦るあまり、いろいろな課題が山積みになったまま先送りされているようにも思える。いったい、都は何をやっているのか。

「都としては、濾過海水施設が必要なのであれば、業界のほうで整備してくださいと話していて、最終的には整備するというので土地を用意した。交通アクセスについてはまだ確定していない。積載荷重も、専門家が市場の運用実態を見ながら設計している」(都中央卸売市場管理課)

 一方、都の中央卸売市場の土壌汚染問題の担当課長に、なぜ305区画で帯水層の底面を調べなかったのかの確認を求めると、こう説明した。

「(305という)数は確認していませんが、汚染のない区画になっているということです。国の指定調査機関の判断によるものなので、私どもでいい悪いは言えません。私どもは、それにのっとって都の環境局に申請して、汚染の区画が指定されている状況です。外れている区画はありますが、虚偽記載かどうかについては、質問者の方のお考えだと思いますので回答できません」

 概況調査で汚染が出ているにもかかわらず、「汚染はない」区画として状況調査報告書を作成してきた指定調査機関にチェックや確認をしなかったのか。「これでは偽装と受け止められても仕方がないのではないか」と聞いてみた。

「国の第三者機関である指定調査機関として適切に汚染の状況を調査されていると、我々は考えています。偽装にも当たらないと思います」

 そうだとしても、こうして調査しないまま残されている区画があったという事実が、後になって出てくる。使用される利用者にとっても消費者にとっても「安心・安全」の観点を考えるなら、何重にもわたって確認して、最初からきちんと説明するべきではなかったのか。

 いったい、どのような判断に基づいたものなのか。指定調査機関では、「都から受託されている業務であり、守秘義務がある。我々からは基本的には答えられない」としている。

 実行委員会では、舛添都知事に対し、3月5日までにファクスで回答するよう求めている。質問の中には、これまで行われてこなかった公開の場での説明会の開催も訴えている。“魚屋”たちのやり場のない怒りは、都が誠実な回答を行わない限り、収まることはないだろう。