見直し方法は「借り換え」だけでなく
「今の銀行で金利交渉」も!

住宅ローン見直しは借りている銀行との「金利交渉」から!

 私が所属する生活設計塾クルーでは、毎月マネーセミナーを開催している。2月、3月と連続して「住宅ローン」をテーマとしたところ、例年よりも参加者が多く「真剣度」も高かった。日銀の「マイナス金利導入」の影響を受けて住宅ローン金利が一段と下がっているためだろう。

 2月は「住宅購入に向けて新規でローンを組む人向け」、3月は「すでにローンを持っている人の見直し法」と、月替わりでテーマ設定したのだが、3月の参加者のほうが「ひと言も聞き漏らすまい」と前のめりの姿勢で聞く人が多い印象を持った。

 講師の立場からだと「新規でローンを組む人向け」のほうが、話がしやすい。属性や借りる額などは人それぞれではあるが、失敗しないためのコツなど、多くの人に共通するコンテンツを伝えることができるからだ。

 一方、すでにローンを組んでいる人の見直し方法は個別性が高く、セミナーですべてのケースに対応するコツを伝えるのはなかなか難しい。だからこそ「見直し」セミナーの参加者は、2時間もの間、前傾姿勢で聞いてくれたのだろう。

 今回は「見直しセミナー」を振り返りつつ、参加者の多くが関心を示した「借り換えと金利交渉」についてお伝えしたいと思う。

 現在のように金利が低下している局面では、「ローンの借り換え」もしくは「金利交渉」で利息軽減を狙いたい。

「借り換え」とは、今の借入先とは別の銀行でローンを借り入れ、元のローンを完済する方法のこと。借り換えするにはローン保証料や登記費用などの諸経費がかかるため、トクする目安は「金利差1%、残高1000万円、返済期間10年」以上となる。ただし、残高が多い場合や、保証料がかからない銀行で借り換える場合は、金利差が0.5%程度でもトクするケースもあることを知っておこう。

 もう一つの「金利交渉」とは、今ローンを借りている銀行に「金利を割引してもらえないか」と交渉することを言う。

「借り換え」については、セミナー参加者の全員が有効な見直し方法と認識していた。ところが「金利交渉」については、はじめて知った人が多数で「何のこと?」と驚いた表情をした人が少なくなかった。