実は国は2006年、エネルギーに関する国家戦略をまとめました。そこではこれまでの石油依存度を下げるとともに30年までに自主開発原油の比率をいまの17%から40%に上げるということが目標に掲げられています。輸入だけに頼らず自主開発を進めることで安定したエネルギーの供給が得られるというのがその理由です。

 油田獲得が国家戦略なら、国はこれまで以上に企業への支援が必要になります。

 そして企業の側も、番組で指摘したように海外企業に打ち勝つための情報力を身につけなければなりません。番組のゲストにお迎えした作家の堺屋太一さんは、

「情報力を身につけるためには人材育成が欠かせません。たとえばアラビア語ができる社員が何人いるのか。そのことも含めて人材育成が急務なのです」

と強調されました。

 日本の石油業界に、本田圭佑選手や川島永嗣選手のような人材が現れるのはいつのことになるのでしょう。

 

※この記事は、NHKで放送中のドキュメンタリー番組『追跡!AtoZ』第48回(7月17日放送)の内容を、ウェブ向けに再構成したものです。

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【次回の番組放送予定】

7月24日(土)午後10時00分~10時43分
「日本発盗難車転売ルート ~暗躍する多国籍窃盗団」

いま、セルシオやランドクルーザーといった高級車をねらう窃盗事件が相次いでいる。盗難防止の切り札として普及が進められている「イモビライザー」という電子キーを簡単に破り、車ごと盗み出してしまうのだ。

 その背景には「ハイテク多国籍窃盗団」の暗躍がある。愛知県では、ブラジルやアフガニスタンなど4ヵ国・総勢49名の大窃盗団が摘発され、実に650台を盗み出していたことが明らかになった。その供述から、いま世界中の闇市場でイモビライザー解除装置が簡単に手に入る実態が浮かび上がってきた。

 また、中国ではそれが堂々と販売され、ネットオークションで日本人の手に渡り、犯罪に使われるという事態も起こっている。盗み出された中古車は、解体工場でバラバラにされ、世界の中古車市場を牛耳るパキスタン人ルートでドバイに運ばれて組み立て直され、経済成長著しいアフリカ諸国に販売されている。

 多国籍窃盗団の暗躍を食い止めるにはどうすればいいのか。日本~ケニアと盗み出された車の行き先を追跡。さらには中国で製造されたイモビライザー解除装置を日本でネット販売していた人物を取材し、その国際的なネットワークの全容を明らかにする。

◎番組ホームページ http://www.nhk.or.jp/tsuiseki/
※今後の放送予定(再放送含む)も確認できます。番組へのご意見・ご感想も大募集。
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