ヤマハ発動機社長 柳 弘之<br />リストラ断行も攻め続ける“普通”にはなりたくない<br /> Photo by Mikio Usui

──2009年度(09年12月期)に最終赤字2161億円まで落ち込んだ。決算とともに打ち出した構造改革の進捗状況は。

 工場再編と希望退職の募集を決め、12年までの3年間で600億円のコストダウン(09年比)をやると宣言した。数多くあるモデルはエンジンや車台の統合を進めている。設計、製造、調達は一つの組織にした。各部品メーカーに入り込んで生産工程もつくり変え、その手法はインドネシアやタイ、ベトナムなどの海外拠点でも展開している。

──主力の二輪車以外にも事業が多岐にわたっている。大胆な選択と集中に踏み切るのか。

 単純な売却という発想はあまりないが、拡大成長のための提携は十分あると思う。目下、多少整理しないといけないビジネス、もっと強化すべきビジネスを仕分けているところで、年内にはっきりさせる。

 当社のいちばんの強みは小型エンジンのアプリケーションであり、パーソナルモビリティの世界を大きくしたい。