若者の飲み放題離れが思いのほか進まない理由若者の酒離れが進む一方で、中学生の飲酒も問題に。若者と酒の問題は複雑なようだ

 先週、ちょっとあきれるニュースが飛び込んできた。

 昨年12月25日に、中学3年生の男女18人がクリスマスパーティーを開いた。会場は東京都江東区の居酒屋である。居酒屋で中学生がパーティーをする時点で、頭に「?」が浮かぶが、問題はそのあとだ。店員は客が未成年であるとわかっていたにもかかわらず、2時間飲み放題メニューで酒を提供。中学生たちはテキーラ31杯、サワー8杯、生ビール3杯などを飲んでいた。通報により駆けつけた警察により中学生は補導され、店側を捜査。店長と店員が4月8日に書類送検されたのだ。

 東京に引っ越してきて丸2年たったが、なんて恐い街だろう。いつまでも慣れる気がしない。

大学生の約半数が
「適量は2、3杯」と回答するも…

 さて、最近、私はまったくと言っていいほどに居酒屋のコースや飲み放題を利用しなくなった。フリーライターゆえ、会社の飲み会もないし、合コンにも街コンにも行かないし、大人数で居酒屋を利用することがほとんどないことが理由だろう。何人かの友人と店に行っては、その日のコンディションと盛り上がりに応じて、飲んだり飲まなかったりである。

 最近は「新入社員が酒を飲まない」だの「学生が酒を飲まない」だの言われることが多いが、中学生も飲み放題を頼む時代、最近の学生はどうなのだろうか。2014年の調査だが、面白いものを見つけた。学生団体「想食系幹事」が行った大学生と大学院生、560名を対象にした『お酒と食に関するアンケート』だ。

 この中で「お酒の適量は何杯ですか?」という問いに「3杯」と答えた人が最も多く154名(27.5%)、「2杯」と答えたのが114名(20.4%)と続く。2~3杯が自分の適量だと回答した人が約半数だが、「5杯以上」と回答した人も90人(16%)いる。

若者の飲み放題離れが思いのほか進まない理由

 この項目を見て、「大学生も、自分の適量をちゃんと把握して飲んでるんだな」と少し感心したのだが、この調査が面白いのは次の項目だ。実際の飲み会で飲む量を聞いたところ、サークルの飲み会では173人(30.9%)、クラスの飲み会では132人(23.6%)が5杯以上飲むと回答している。つまり、自分の適量が5杯以上と回答した人の数よりも、実際の飲み会で5杯以上飲むと答えた人が多いのだ。

 あれ~? 適量ってなんだっけ~?