大京社長 山口 陽<br />40万戸の顧客資産生かし住生活総合サービス企業へPhoto by Masato Kato

──足元のマンション販売状況は。

 完成在庫の削減目標は、2010年3月期末でほぼ達成した。物件の供給不足が続いていることもあり、販売は都心・郊外共に好調だ。東京・高輪の物件は、モデルルームに土日200組、平日でも50組が来場するなど常に満杯だ。

──販売用不動産の評価損を計上し、前期は分譲事業が2期連続の営業赤字になった。

 失敗は繰り返さない。量もシェアも追わず市場ニーズと在庫の回転を注視し、毎期安定した利益を出す。用地取得も厳選し、対象エリアの平均年収の6倍以内という「市場に合った売価」を想定し、そこから建設費と利益を差し引いた予算以内の土地しか買わない。

──マンション管理、仲介など、“ストック事業”を強化する方針というが、なぜか。

 景気に左右される分譲事業を補完し、常に安定的な収益基盤となるのがストック事業だ。この5年来強化してきた結果、前期はストック事業が連結で130億円の利益貢献をし、当社は連結営業利益で黒字回復できた。