見直しの理由は大風呂敷から現実路線への転換

 今回の計画について株式市場は好意的に受け止めた。当初は23年としていた集客目標達成時期が、3年前倒しになるからだ。しかしファンは「肩透かしを食らった」と口をそろえる。大幅リニューアルには、程遠い内容だったからだ。

 OLCは、なぜ設備投資計画を見直したのか。まず、当初目標としていた入園者数を早々に達成してしまい、さらなる高みを目指す必要が生じたことが挙げられる。

 パークでは開園以来、周年イベントに向けて入園者が増え、翌年以降は反動減に陥るというパターンを繰り返してきた。ところが、ランド創立30周年に当たる13年度以降は、プロジェクションマッピングなど新しい取り組みが功を奏し、3000万人を維持している。

 そうした想定以上の集客により浮き彫りになった課題が、混雑による顧客満足度の低下だ。

 上西京一郎社長が計画見直しの理由について、「工事期間における顧客満足度への影響を考えた」と強調するように、工期中はアトラクションが休止したり、パークキャパシティーが減ったりするため、混雑がより悪化するはずだ。

 その対応策として、大規模リニューアルを一気に行うよりも、小~中規模のものを段階的に、そして素早く進める方が得策と判断したというわけだ。

 ただし、こうした判断をした背景には「ディズニーとの交渉が難航しているから」との指摘もある。というのも、OLCは米国のアトラクションをそのまま導入するのではなく、日本独自のパーク造りにこだわっており、従来の協議でも相当の苦労を重ねてきたからだ。

 OLCの投資方針は、借り入れなどに頼らず、営業キャッシュフローを原資にすること。そのため14~16年度の3年間合計で営業キャッシュフロー2800億円以上を目標にしており、今年度には達成する見込みだ(図(4))。

 21年度以降もその中から年間500億円程度をパーク造りに投じることにより、入園者を1割程度、つまり300万人の上乗せを図っていくという。

 加えて客単価の向上にも余念がない。客には不評なチケット値上げだが、他国のパークと比べればまだ割安感がある。今後もパークに投資し魅力を高めることでチケットを値上げする意向だ。

 だが、ここにきてOLCへの風当たりは強くなっている。大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が入園者数を大幅に伸ばしているからだ。米ユニバーサルの直営になったことで、今後はよりスピーディーにパーク造りを進めるものとみられている。

 ライバルを抑えトップを守れるか、OLCは正念場を迎えている。