看護師たちはどのように働き、何にやりがいを感じ、どんな時に転職を考えているのでしょうか。週刊朝日ムック『看護師になる2016』が実施したアンケートに回答してくれたのは、237人のママさんナースを含む女性605人、男性43人、合計648人の現役看護師たち。仕事のホンネに迫ります!

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現役看護師648人に聞いた!ナースのお給料実態調査女性ナースたちのキャリア設計は看護職全体の課題(※イメージ写真)

 国税庁の調査によると、2014年の民間の平均年収は約415万円。対して、看護師の平均は473万円と、民間平均年収を大きく上回る。

 今回のアンケート調査では、年収300万円以上が全体の64%。400万円以上は全体の31%にとどまったものの、全国の女性の平均年収は約272万円。回答者の9割が女性を占めるなかでのこの結果、他の職種に比べ「稼げる」職業といえる。

 ただし、勤務先により収入には大きな開きがある。大学病院や専門病院では年収400万円以上が50%を超え、600万円以上の高所得者層も集中している。一方、保育所などでは300万円未満が半数を占める。

 地域格差も大きく、大都市に高所得者が集中した。

 働き方による収入差もある。子どもを持つ看護師からは、「夜勤に入らなくなり、給与が下がった」という声が多く寄せられた。

 児玉准教授も、結婚や出産により、看護師の収入はどうしても下がる傾向にあると指摘する。

「子どもが幼いうちは、身体的な負担も大きい夜勤を避け、日勤専従やパートを選択する人が多いのが現状です」

 結婚・出産の適齢期とされる20代後半から30代にかけては、看護師としてのキャリアの開花が期待される時期でもある。

 キャリアを積み、収入があがる人がいる一方で、離職者や時短勤務者が増え、収入差は広がる。看護師の労働力は「M字カーブ」を描く。