高学歴でも性産業で働きたい
プロ業界を侵食する「セミプロ」主婦たち

 そもそもツトムさんが“謝礼交際”を好むのは、風俗店では、自分の理想とするプレイは行えるものの相手女性に気持ちが入らなかったことが大きい。

「風俗嬢はプロとしての接客です。僕は女性との会話も楽しみたい。その女性がどんな生き方をして、なにを考えているのか――そうした背景も含めて付き合ってもらうとなると、SNSで探したほうが理にかなっている。僕は高学歴、もしくはお嬢様大学といわれるところの出身の女性が好みなので。風俗店では風俗嬢の細かいプロフィールまではわかりませんから」

 社会のIT化の成熟、SNSの発達で、こうした謝礼交際を行う女性は今、増えているという。大阪市内にある30代後半から40代、50代の熟女専門ファッションヘルス店長が、その一端をこう語った。「面接にお越しになる方のなかには、『プロ並のサービスができる』とアピールされる方がいます。どういうことなのか詳しく聞いてみると、『SNSで知り合った男性の要望に応えて風俗嬢が行うようなサービスを行ってきた』『謝礼を取れるほどだ』というのです。概ね、高学歴で生活に困っていないような方が多いです」

 このファッションヘルス店長によると、そうした謝礼交際を行っている女性たちに共通した特徴があるという。

「本気で店で働く気はないようなのです。どうやら風俗店で採用されることが、なにか『プロに認められた』という感覚なのでしょうか。不採用の連絡をしても、『研修だけ受けさせてください』といわれたことがあります。ここまでくると店舗でこそ働いてはいないものの、プロの風俗嬢と思わざるを得ません」

 自分の見た目やサービスレベルがプロにも認められたと、確認したいだけなのだろうか?事実、“セミプロ”ともいえる謝礼交際を行っている既婚女性もいる。愛知県内の有名私立大学を卒業した専業主婦のチカコさん(44)は、私立中学に合格した子どもの教育費が嵩むことから謝礼交際に励んでいる。そのチカコさんに“援助”と“謝礼”、それぞれどう違うのか聞いた。

「援助交際はこちらから対価を要求するものです。謝礼交際は、男性の側から謝礼を支払ってもいいというだけのサービスを提供した結果、こちらから言わずとも謝礼をいただけるのです。プロのセックスワーカーの方よりも営業努力していると自負しています。接した男性が、『謝礼を支払わなければならない』と思わずにはいられないサービスを提供しています」

 明確に金銭を目的としているところが、冒頭部で紹介したユウコさんとは大きく異なっている。しかし、生活に苦しんでいるという状況ではなく、現在の裕福な生活を維持するために、謝礼交際で稼いでいるようだ。しかし、そんなリスクを冒さずとも、パートで働く選択肢はなかったのか。

「コンビニやスーパーでのレジ打ちのパートだと、時給800円くらいです。いただく時給の額よりも、そうして働いている姿を、ママ友や大学の同級生たちに知られたくないのです。それに謝礼をいただいて男性に愛されるほうが楽しいですから」(チカコさん)

 高学歴で、裕福な暮らしを営む主婦たちは、一般的な風俗嬢には望みにくい知的な話術や、優雅な存在感などを提供できる。こうした強みに加えて、性風俗業界顔負けのサービスもするのだから、同じく高学歴・高収入の男性たちからウケがいい。先に紹介したユウコさん、チカコさんのように機転が利く女性はこうした自らの強みを熟知しており、わざわざ店舗や派遣で、性風俗業界に身を投じなくとも十分に稼げることを知っている。