野中広務氏による人権侵害が続いている。先月来、筆者の下には事実に基づかない批判が寄せられている。

「いい加減な記事を書くからだ」

「野中氏に取材していないからだ」

 などという声が多い。また、在阪の知己の新聞記者に至っては、「いつ野中氏に謝るのか」と言ったことを尋ねてくる始末だ。

 もちろん、すべて事実に基づかない言いがかりである。それにしても、この件に関する野中氏の対応にはまったく理解に苦しんでしまう。出鱈目な発言を取り消すわけでもなく、筆者から逃げ回る一方、他の媒体には進んで登場し、政治的な発言を繰り返しているのだ。

 人権重視を政治信条にしてきたこの元国会議員はいったいどういう神経をしているのだろう。

総務省の研究会で
「訂正放送」について質す

 きのう、第8回「今後のICT分野における国民の権利保障等の在り方を考えるフォーラム」に出席した。

 今回は、前回会合を受けて、BPO(放送倫理・番組向上機構)からの報告がメインである。

 会合の冒頭、ちょうど「訂正放送」事案が議案に上ったので、筆者は、先月の関西テレビの「ニュースアンカー」における、野中氏による筆者への「名誉毀損事案」についてBPOの見解を聞いた。

 他人の記事を筆者の記事と勘違いして、公共の電波において、名指しで批判した野中氏のテレビでの発言について、関西テレビはその2日後、同じ番組の中で訂正している。

 だが、訂正といいながら、それは野中氏の30分ほどの出演時間に比して、番組終了直前の一分間にキャスターが原稿を読み上げただけというものである。

 当然ながら、確率統計の見地からも、野中氏の発言が事実無根の出鱈目だったことを知った視聴者は少ない。だからこそ、冒頭のような言いがかりが未だに続いているのだろう。