>>(上)より続く

 そんなふうに頭を抱えているのは松本大和さん(36歳)。大和さん夫婦は子どもを望んでいたのですが、今までコウノトリの知らせはなく、とはいえ染色体異常のリスクを気にして不妊治療に踏み切ることはできず……そんな矢先の妊娠発覚だったのです。結局、大和さんは事の真偽を確かめることができないまま、出産の日を迎えてしまい、今まで灰色だった疑いは黒く染まったのです。

「だって僕も妻も血液型はO型、でも子どもはB型。どう考えてもありえない組み合わせでした。もしかして妻が二股をかけていたのでは?と疑わざるを得ません。僕とは別に『そういうことをした』オトコがいるのではないかと」

 血液型の不一致という事情を踏まえれば、それが動かぬ証拠になるので妻がいつまでも隠し続けることは不可能でしょう。妻は正直にカミングアウトせざるを得なくなりました。過去の不倫について大和さんに暴露したのです。

 子の父親(彼)は妻が以前、勤めていた会社の同僚だそうです。その会社が倒産することになり、妻と彼は毎日、残務整理を一緒にやっていたのですが、そのうちに親しくなり、妻の方が先に彼に好意を寄せたそうなのですが、彼が妻帯者だということは最初から分かっていたようで……。

中絶できなくなる3ヵ月を待ち望んだ妻
夫から問いただされたら白状する覚悟だった

「そもそもの始まりは彼が奥さんの愚痴を私にこぼしたことがきっかけだったの」

 彼の奥さんはだらしない性格で引きこもり状態。四六時中、家にいるのに家事をろくにやらず、例えば、彼が魚を食べられないのに、平気で食卓に魚料理を出され、彼が文句を言うと「もう作らない」と逆ギレする始末。「なんだか彼がかわいそうに思えてきて……」。

 彼の奥さんは7ヵ月間も彼に抱かれることを拒んでおり、セックスレスの状態でした。 そんななか、妻は彼から体の関係を迫られたのですが、好きな相手からの求めを断り切れなかったそう。しかし、彼にとってはいかんせん、久しぶりの性交渉なので避妊するタイミングを間違えてしまい、コンドームをつける前に射精したせいで、今日の事態に至ったのです。

「妊娠が分かったのは(性交渉から)2ヵ月目。(妊娠したことを)彼に伝えることに抵抗はなかったけれど、伝えたときの反応……嫌そうな感じだったので、ずっと不安だったの。つわりが酷いのに、彼から酷い言葉を投げかけられ、かなり傷付いたわ」