一見健康な人も要注意!
大腸がん早期発見に大切なこと

 福島県郡山市の総合南東北病院の消化器センター長 西野徳之医師は、大腸がんの症状や検査について以下のように語る。

「先日も救急外来で、50歳代の男性の患者さんが腹痛を訴えて来られました。便秘だと自己申告されましたので、腹部単純X線写真を撮影すると、全結腸にわたり、便が停滞しており、直腸での閉塞すなわち直腸がんを疑いました。

 まず、直腸診で腫瘤を触知しました。引き続き造影CT検査を施行致しました。直腸に壁肥厚を認め、直腸がんと診断致しました。幸い肺や肝転移はありませんでした。放置すると、腸管破裂の危険もあり、すぐに外科医に連絡し、朝を待って、緊急手術をしてもらいました。大腸の管腔は直径3-4センチメートルです。腫瘍が2センチメートルだとすでに進行がんの可能性がありますが、便は十分に通過します。ですから、出血もなく、便通異常がなくても進行大腸がんに罹患している可能性はあるのです。腫瘍径が小さければ腫瘍マーカーも正常のことがあります。

 ですからこのように、一見健康な方であっても緊急手術になることがあるのです。健診やドックで異常なしと言われたからといって、大腸がんではないという保証はありません。

 最近大腸(結腸+直腸)がんが増加しています。男女ともに罹患率・死亡率は3位以内です。50歳を越えたら、症状がなくとも一度は大腸内視鏡を受けて下さい。

 大腸内視鏡は多くの患者さんにとって『つらい検査』という恐怖の対象になっているようですが、『内視鏡のプロ』である医師が行えば、検査は言われる程つらくはありません。ですから、信頼のおける消化器内科医を探して、受診してみて下さい。

(日本医学ジャーナリスト協会 医療ジャーナリスト 財団法人日本ヘルスケアニュートリケア研究所 所長 市川純子)