「どれだけ休んでも、疲れが取れない」という人は、脳に疲労が蓄積している可能性がある――そんな話を前回させていただきました。
では、脳疲労を回復するにはどんな方法があるのでしょうか?
「科学的な脳の休め方」をまとめた『世界のエリートがやっている 最高の休息法』よりご紹介します。(初出:2016/07/29)

脳が疲れやすい人に共通する「休み=充電」の思い込み【書籍オンライン編集部セレクション】本当の休息は「充電」を超えたところにある。「充電→放電→エネルギー切れ→充電……」を繰り返すバッドスパイラルから抜け出すには? Photo: Adobe Stock

世界のエリートは、
こうして脳を休ませる

まずは簡単におさらいから…。
前回はこんなお話をさせていただきました。

「何もしない」でも「脳疲労」は消えずに残る
――あんなに休んだのに…朝からアタマが重い理由

脳が疲れやすい人に共通する「休み=充電」の思い込み【書籍オンライン編集部セレクション】久賀谷 亮(Akira Kugaya, PhD/MD)
医師(日・米医師免許)/医学博士
イェール大学医学部精神神経科卒業。アメリカ神経精神医学会認定医。アメリカ精神医学会会員。
日本で臨床および精神薬理の研究に取り組んだあと、イェール大学で先端脳科学研究に携わり、臨床医としてアメリカ屈指の精神医療の現場に8年間にわたり従事する。そのほか、ロングビーチ・メンタルクリニック常勤医、ハーバーUCLA非常勤医など。
2010年、ロサンゼルスにて「TransHope Medical」を開業。同院長として、マインドフルネス認知療法やTMS磁気治療など、最先端の治療を取り入れた診療を展開中。臨床医として日米で25年以上のキャリアを持つ。
脳科学や薬物療法の研究分野では、2年連続で「Lustman Award」(イェール大学精神医学関連の学術賞)、「NARSAD Young Investigator Grant」(神経生物学の優秀若手研究者向け賞)を受賞。主著・共著合わせて50以上の論文があるほか、学会発表も多数。趣味はトライアスロン。

【その1】
脳の疲れは、身体の疲れとは違い、ただのんびりしても回復しづらい

【その2】
脳のエネルギーの60~80%は、「ぼーっとしているときにも動き続ける脳回路(デフォルト・モード・ネットワーク:DMN)」に費やされている

【その3】
DMNの過剰な活動を抑えない限り、脳は何もしないでも疲れを溜め込んでいく

【その4】
DMNの活動を抑えることこそが、現代人にとっての「最高の休息法」

これを踏まえて、以下のお話をしていきたいと思います。

*  *  *

マインドフルネスという言葉を聞いたことはあるでしょうか? 日本でもこれに関連する書籍がたくさん出ているそうですが、アメリカではここ数年、マインドフルネスが爆発的に流行しています。

この得体の知れない言葉が何を意味しているのか、それは今後の連載や『世界のエリートがやっている最高の休息法』本編の中でつかんでいただければと思いますが、あえてこれをひと言で説明すれば、マインドフルネスとは「瞑想などを通じた脳の休息法の総称」です。