リアルとバーチャルの境界を感じさせない、新しいネットワークも誕生している。

 そのひとつが旅行代理店クラブツーリズムのサービス。趣味を通じて仲間を作り、一緒に旅行を楽しめる「趣味人クラブ」などが人気だ。交流サイトのオフ会旅行も実施している。オフ会といえば、「内輪で集まってちょこっと飲む」といったものが主流だったが、このように企業が仕掛ける大がかりな会も増えているのだ。

 中村さんの“協会”もまた、掲示板機能、それに射撃大会という「オフ会」を2本柱とする、ひとつのソーシャルメディアといえるだろう。それでいながら、ネット特有のバーチャル感がきわめて薄い。本物の会員証まで発行しているあたりが、なんとも言えずリアルっぽいのだ。これなら、一般のSNSに引き気味の「ちょいデジオヤジ」も、違和感なく入れる。

協会の広報活動もなかなか忙しい。この日はゴム銃の書籍を刊行予定の社会評論社で撮影。手前右は奇書のカリスマ編集者として知られる濱崎誉史朗氏。

「射撃大会で、ふと不思議な気持ちにとらわれることがあるんですよ」と中村さん。

 おたがい地縁も血縁も職縁もないが、ウェブ上ではすでにお馴染みの仲間が、あっちでもこっちでも輪ゴムを飛ばしっこしている。仕事を引退したお年寄り、子ども連れの若い父親、中年の会社員たち。

 みんな自分が作り上げた空間でこんなに楽しそうに遊んでいる――

 中村さんの遊び心から現実の絆が生まれたのだ。

「ただね、リアルすぎちゃって困ることもあるんですよ。『事務所を訪問したいんですが、所在地を教えてください』なんていう問い合わせもあったり(笑)」

 リアルとバーチャルが背中合わせのこの時代。「冗談から駒」はただのことわざではなくなった。


※ゴム銃や日本ゴム銃射撃協会については、中村さんの著書に詳しく掲載されています。
「ゴム銃オフィシャルガイドブック」(中村光児著 社会評論社)