1911年開場のカントリー・クラブ・オブ・オーランドは今なお古き良き時代の伝統に彩られたゴルフコースである。

 メンバーシップ制度による閉鎖性は、開放的なフロリダにあってやや異彩を放っている。クラブハウス内での振舞いは厳しく制限され、あたかもそこだけが米国東部の名門コースのような錯覚に陥る。

 米中間選挙の投開票の行われている今日(11月2日)、筆者は米ゴルフチャンネルのアンディ和田氏(プロゴルファー)とともにその名門コースをラウンドした。和田氏の先輩であったタケ小山氏(プロ)によれば、18年間のオーランド生活の中で唯一このコースだけはラウンドできなかったほど格式が高いという。

 それがいまや、和田氏のようなアジア系のメンバーも誕生し、メンバーの入れ替えが始まっているという。そうした中で筆者も、まもなく100年を数えるこの名門コースでのプレーが可能となったのだ。

 実は、こうした変化の背景は、米国経済の深刻な現状があることと無関係ではないのだ。

 中間選挙でオバマ大統領は窮地に立たされている。民主党は歴史的な大敗を喫することが濃厚だ。東部の州から続々と票が開いているが、少なくとも下院での敗北は確定した。上院では辛うじて勝利したものの、いわゆる「ねじれ」の中、今後はより厳しい議会運営が予想される。

 二大政党制の米国の選挙の傾向なのだろうか、あるいは米国政治の特徴だろうか、実は、大統領就任後の最初の中間選挙において、与党を勝利に導いた大統領はほぼ皆無である。

“中間テスト”では有権者が
辛い点数をつけることが多い

 双日総合研究所副所長の吉崎達彦氏の言葉を借りれば、「米大統領にとって最初に迎える中間選挙は鬼門になる」となるが、その理由を氏はこう分析していた。