学部長には経験豊富な
定年再雇用者を積極起用

島村 営業部門の人が技術に関する研修を受ける、電力事業に関わっている人が映画配給に関する研修を受けるといったことも可能で、それを推進しているということですか。

川村 そうです。他部門の仕事を知ると、自身の仕事に活かせるということだけでなく、J:COMという会社は素晴らしい会社だと再発見できるからです。会社の成り立ちを知り、他部門の素晴らしい仲間から刺激を受ければ、この会社に入って良かったと思え、J:COM愛を持つことができます。

 私自身もそうやって育ってきました。自分で新たな仕事をつくり、切り開いていく人を間近に見て、この人みたいになりたいと思ったことは一度や二度ではありません。ですから、従業員にも、部門を超えて素晴らしい人の存在を知り、この職場は人生を賭けるに値すると感じて欲しいのです。こうした感情は、外部講師からは学ぶことができません。

島村 確かにそうですね。まだ知らない、出会っていない仲間が会社にはたくさんいて、彼らをどう引き会わせるかが大切ということですよね。また、非常にユニークだなと思うのは、学部制をとり、学部長に各部門の元責任者の定年再雇用者を置いているところです。

川村 私には15年ほど営業の経験があるのですが、そのうち10年間は、全国各地にあるグループ局舎へ出向き、ホテル暮らしをしながら業績を改善させるという営業トレーナーの仕事をしていました。部署を横断しながら仕事を進めていくなかで、各拠点・各部門には素晴らしい人がいて、専門性の高いナレッジを持っているということに気が付きました。

 ところが、それらが会社全体で共有されておらず、共有のきっかけもありませんでした。もったいない、と感じました。このもったいなさを解消したいという思いは、その後もずっと抱えていました。

 また、創業後の90年代に第一線で活躍し、この20年間をつくってきた人たちが定年退職を迎え、ラインオフとなることで、知見を継承できなくなることも会社の損失であり、もったいないと感じていました。

 そこで、定年再雇用者を含め、部長以上の経験者から7名に、学部長に就任してもらったのです。現在、J:COMユニバーシティの学部は、7学部あります。具体的な学部名としては、総合学部、経営管理学部、お客さま対応学部、技術学部、情報システム学部、メディア学部、キャリアデザイン学部となります。学部長には各部門に閉ざされたナレッジを全社に共有するため、あらゆる講座をプロデュースしていただきます。