滑舌が悪い…と悩んでいる人は、はっきり話す、あるいは舌のトレーニングなどをススめられることが多いようですが、まずは呼吸を見直すのが早道かも。メディアトレーナー、ボーカルディレクターとして、芸能界のトップアーティストを指導する「表現」のプロである中西健太郎さんは「鼻の詰まりを抜くのが効果的」と言います。新刊『姿勢も話し方もよくなる声のつくりかた』より、声がはっきり響くための呼吸のトレーニングを紹介します。

 話し声がボソボソして、よく相手に聴き返されたりする……滑舌の悪さに悩む人は案外多いようです。

滑舌の悪さに悩んでいる人へ、効果的なトレーニングが!

 声の輪郭をはっきりさせるには、鼻の詰まりを抜く練習が効果的です。

 そのために効果的なのが、ヨガの「火の呼吸」というトレーニングです。

 口を閉じて、鼻から細く短い息を「フッフッフッフッフッフッ……」と秒針が刻むより少し速いぐらいのリズムで歯切れよく吐き続けてください。同じように、口でも「フッフッフッフッフッフッ……」と30秒ずつぐらいやってみてください。

 わざわざ、このためだけに時間を確保しなくてもいいのです。朝起きてシャワーを浴びながら、あるいは人通りが少なければ歩きながら、「ついで」の練習で十分です。大切なのは、むしろ練習を「習慣化」させることです。

 現代人は口呼吸になっている人が多いので、この鼻の詰まりを抜く練習を毎日やったり、話すとき以外は鼻呼吸をするように常に心がけてみてください。現代人は口呼吸が増えているといわれますが、もともとは鼻が「呼吸器」で、口は「消化器」ですから、話さないときは口を閉じて鼻呼吸にしてください。

 近年、口呼吸が増えてきた一因は、鼻呼吸を覚える前に離乳期を迎えるようになったことといわれているようですが、口を閉じていないと口輪筋が育たないので滑舌に悪影響もあります。

 また、滑舌が悪い人は改善しようとして、口を大きく動かして話そうとしがちなのですが、これは誤りです。

 呼吸がしっかりできていれば、そんなに大きく口を開かなくても滑舌はよくなります。特に、縦に口を開くのはよいですが、横に開くとベタッとした発音になり、子どもっぽい、もしくは品がないと思われるような声や話し方になりがちですから気を付けてみてください。