調査結果では、実に2552人の技能実習生が本国で、送り出し機関に費用を支払うため、「借り入れ」をしてから来日しているという事実も明らかになった。

 この調査結果を真摯に受け止め、「失踪」した技能実習生以外に対しても調査を進め、違法な保証金がまかり通っていないのかなども調査する必要がある。

 法務省が、単に「より高い賃金を求めて失踪するものが多数」、「人権侵害行為等、受け入れ側の不適正な取り扱いによるものが少数存在」との報告にとどめていたのは、新制度の議論に際し、問題を大きくしないためであったと推察される。

技能実習制度は廃止を
労働者受け入れの中身の議論急務

 これまで書いてきた通り、技能実習制度は深刻な問題を抱えており、これは、技能実習制度の構造的な問題点と密接に結びついている。

 技能実習生は、技能実習という建前のゆえに特定の使用者に縛られ、使用者側に問題があっても、自発的な職場移転が認められない。そのことにより技能実習の場が過酷な労働や人権侵害の温床となっている

 外国人を労働者として受け入れる以上、労働者としての権利は保障しなければならない。

 労働者として当然の職場移転の自由が保障できない技能実習制度は速やかに廃止すべきなのだ。

 だが日本には、すでに約26万人の技能実習生を含む約128万人(平成29年10月末現在)の外国人労働者が働いており、外国人労働者無しには、自動車産業も農漁業もサービス業も成り立たない状況になっている。

 今回の入管法改正案を「廃案」にするだけでは何も解決しない。ただ技能実習制度を廃止したのでは、これまで技能実習生が事実上、担ってきた労働力もさらに不足する事態を迎えざるを得ない。

 外国人労働者、日本人労働者双方にとってどのような制度があるべきなのか、本気で議論を始めなければならない。

「生活者」として受け入れ
家族帯同の条件、短期に

 新制度の中身を詰めなくてはならない第1は、受け入れるのは「人」なのだから、生活者として受け入れる用意が必要不可欠だ。