欧米各国では次世代通信規格「5G(第5世代)」のネットワークから中国の華為技術(ファーウェイ)を排除する動きが広がっている。しかし中国が開発した技術が5Gネットワークの中心であるという事実は変わらない。ファーウェイと同じく中国の中興通訊(ZTE)は5G技術をめぐって膨大な標準規格を提案してきた。主要特許の保有数でも上位に立つ。一方、欧米企業が5Gの設計や仕様で果たす役割は過去の無線技術のときより小さい。ファーウェイが5Gの設計に影響力を発揮できたのは巨額の研究開発費と、5Gの基本構造を策定する世界各地の会議への積極的な貢献のおかげだ。その結果、ファーウェイが保有する5Gの「標準必須」特許数は2月初旬の時点で一企業として最大の1529件に上った。データ解析会社IPリティックスによると、ZTE、国営の中国電信科学技術研究院(CATT)、広東欧珀移動通信(Oppo)が保有する特許を合わせると、5Gに関する全標準必須特許のうち中国勢は36%を占め、第4世代(4G)の特許でのシェアの2倍超を確保した。