「ワークライフバランス」を重視するのは、ある意味ポジティブに出世を控えたいという考え方だが、「責任の範囲」や「給与・年収」の場合、そうとも言えない。さらに、年代が上がったほうが、出世しても給与が上がらないことを理由にする人が多いというのが、なんとも言えないいやな感じがある。

 たとえば、こんなケースが想像できる。20代のうちは、責任が重くなるのはいやだなと考えていたが、なんの因果か出世してしまい、部下もできた。しかたないから頑張るかと気持ちを切り替えようとしたが、思ったよりも給与が増えない。「やってらんないよ。これならワークライフバランスとかもっと大事にしたいよ」という感じだろうか。

出世したい人を増やすために
会社は何をすべきか

 さて、一方で出世したいと考えている人たちは、どんなことを考えているのだろうか。出世したい理由のうち、「給与・年収が上がるから」(79.7%)がダントツの1位となっている。「自分の成長が実感できる」が40.0%、「高い目標を持って働ける」が37.0%と続く。「意識高い系」がなにかと話題になる昨今だが、この数字を見ると、出世したいと考えている人たちは、「給与を増やさなきゃ」ともう少し切実な状況があるように思える。

 会社で働いている人々の多くが出世したくないと思っている。そんな会社に明るい未来は待っていそうもない。ただ、出世したくないと考えている人も、仕事に対して、まったくやる気がないというわけではないようだ。

「キャリアアップしたいと思うか」という全体への設問に対しては49.6%が「していきたい」と回答。出世したいという人よりも多くが「Yes」と答えたということだ。仕事はきちんとやりたいけど、出世することにデメリットを感じているから、出世したくない。そう感じている人は少なくないはず。であれば、デメリットを取り除くことで、会社の雰囲気も変わるだろう。

 調査結果からすぐに思いつくのは、休みたいときにはきちんと休めること、出世して部下が増え、責任の範疇が広がれば、それに応じて給与が上がることだろう。……書くのは簡単だが、実行するのは、非常に困難そうだ。しかし、そこを避けて「出世したい」と思わせる会社になれないだろうから、経営者には頑張ってほしいものだ。