中国の株式市場には鉄・アルミ・レアアース・銅・金など鉱物関連株が数多く上場しています。中国12億人の人口が豊かな生活に向かうとすれば、必然的に資源の消費量は増えます。しかしながら資源は有限ですから、いずれ足らなくなります。中国政府の意向としては、これらの資源関連株を上場させ、業績を拡大させて、株式市場で資金調達をして世界の資源を買収させていこうという狙いがあると思います。

 このように考えていくと、中国の資源業界は中国の国策に乗った業界と言え、注目に値します。

 中国政府は石油・天然ガス同様に、非鉄金属を重要国家戦略と位置づけており、中小規模企業の淘汰や積極的な海外資産の買収を大手に推奨している最中です。2009年5月11日の政府発表によると、2011年までに中国は安定的に確保できる金属資源の割合を銅40%、アルミ56%、ニッケルで38%に高めることとしています。また、2011年に向けて国内で3~5の国際非鉄金属メジャー企業を育てていく方針です。

江西銅業――ナンバーワン総合金属
メジャーとして着々と成長中

 ではどのような会社が国際メジャーとして育っていくのでしょうか。ここでは2社ほど例を挙げてみたいと思います。

 まず1社目は江西銅業です。生産量ベースで中国最大の産銅会社です。親会社からの資本注入や海外での買収により大きく資産を増やし、2009年の銅の採掘量は前年比3%増の16万7000トンに達しています。2010年には17万2000トン、2011年には22万トンまで拡大すると予想されています。精錬銅の生産量も2009年は14%増の80万トンでしたが、2010年には90万トンに達する見込みです。同社が保有している金属埋蔵量は銅1131万トン、金362トン、銀9689トンなどとなっています。

 また、親会社から多種のレアメタル資産を譲渡され、モリブデンの保有量は28万トンに達し、国内最大のレアメタル生産企業ともなりました。銅だけでなく総合金属メジャーとして着々と成長しています。