業態別ファンページ活用法の第2回は「通販型ビジネス」。インターネットで完結するビジネスでは、ファンページをどう活用していけばよいのか。事例を見ながら探っていきたい。

 通販型ビジネスのファンページの使い方を3つのパターンに分類してみた。

(1) ミニ通販サイト型
(2) コミュニティ型
(3) 情報提供型

 それぞれを詳しく見ていく。

(1)ミニ通販サイト型~ファンページをオンラインショップにしてしまったフラワー通販

 ギフト用花束に特化した通販で年商7億1,400万ドルをたたき出す、米最大手のフラワーショップ「ワン・エイトハンドレッド・フラワーズ(1-800-Flowers)」。誕生日を知らせる機能があるFacebookはギフトビジネスには最適ということで、新たな販売チャネルとして早くからファンページに着目。2009年7月、Facebook内で買い物ができる通販機能つきのファンページを立ち上げた。ファン数は2010年11月現在、5万人に届こうとしている。

Facebookはショッピングモールになり得るのか?<br />通販業におけるファンページ活用最前線「ワン・エイトハンドレッド・フラワーズ」のファンページの中には本家サイトとそっくりな通販機能が組み込まれている

 訪問者が最初に見るウェルカムタブ(初期設定タブ)には、ファンになると20%の割引が受けられるクーポンコードがある。その横の「ショップ」というタブをクリックすると、メッセージが現れる。「1-800-Flowersのショップへようこそ。商品をご覧いただき、贈り物の花を選んでオーダーしてください。そしてその体験をウォール(旧掲示板)に投稿して私たちに知らせてください」というメッセージの下に、ショップへのリンクボタン。クリックするとタブ内に小さなオンラインショップが現れる。

 このショップは、品揃えこそ限定されているが、デザイン、購入の際の入力項目、買い物の手順など、ほぼ本家の通販サイトと同じ。ユーザーは、Facebookにいながらにして、友人や家族の誕生日、記念日などの花を贈ることができるというわけだ。

 ファンページ内に組み込まれたショッピングカート。最近では、無料の簡易的なものからカスタマイズが必要な本格的なものまで様々なタイプが開発されている。通販機能を持たせてファンページをFacebook内支店にするというこのスタイルは最近のトレンドになりつつある。