あなたが親と会えるのは、あと何回か。平均寿命と親の年齢、そして1年で会う回数から、答えは自ずと導き出される。「年」ではなく「回」という単位のなかで、親に何をしてあげられるかと考えなければならない。(週刊ダイヤモンド2011年3月5日号特集「今、親のためにしたいこと」より。データなどは掲載当時のまま)

あなたはあと何回、親に会えますか。その間に何をしますか。
あなたはあと何回、親に会えますか。その間に何をしますか。

 あなたの親はいくつですか。1年に何回会っていますか。

 同居していたり、スープの冷めない距離に住んでいるならまだしも、都会暮らしの働き盛り世代で親が地方在住の場合、1年に親に会えるのはせいぜい数回ではないだろうか。

 日本人の平均寿命(2009年)は男性79.59歳、女性86.44歳である。まだ自分の親は長生きすると楽観しているかもしれない。たとえば、あと10年は大丈夫……と。

 しかし、仮に年に5日は里帰りしているとしよう。すると、あなたが親に会えるのはあと10年ではない。50回だ。「年」ではなく「回」という単位のなかで、親に何をしてあげられるかと考えなければならない。

「親のこと」を心配する子世代に向けてさまざまな情報を発信しているオヤノコトネットの調査(10年6月)によると、子世代の83.2%が親の介護や老後といった“老い”について関心を持っているにもかかわらず、そのことについて親と「あまり話さない」(43.6%)、「話したことがない」(16.4%)。また実際に、親の健康や安全については「現在明確な不安がある」(16.8%)、「漠然とした不安を感じる」(62.6%)のに、83.4%の人が「なにもしていない」。