9月17日以来、
約3ヵ月ぶりの首相会見にて…

 9月17日の記者会見を最後に、一切開かれなかった首相会見が、約3ヵ月ぶりに開催された。冒頭、菅首相は次のように語り、臨時国会の運営を自画自賛した。

 〈この臨時国会の間、国会の議論も大変なところもありましたけれども、私にとっては国会の内外を通して、大変実り多いこの間であったと、このように感じているところであります〉(首相官邸HP・菅内閣総理大臣記者会見(H22.12.6)より)

 一連の尖閣諸島問題、ビデオ流失問題、法相更迭、メドベージェフ露大統領の北方領土訪問、北朝鮮砲撃事件など、筆者の記憶によればこの3ヵ月間の菅内閣は、厳しい舵取りを強いられ、その政権運営に非難が集中した、と記憶していた。だが、どうやら、それは筆者の記憶違いだったようだ。

 菅首相は「実り多い」と断言するし、この3ヵ月間、午前・午後の1日2回、週10回以上にわたって、菅首相や仙谷官房長官に接してきた新聞・テレビの記者たちからも一切、異論の声があがらない。

 やはり首相官邸どころか、国会議事堂にすら立ち入りできないフリーランスジャーナリストの記憶というのは、こうも頼りないものになってしまうのだろう。

 自らの低脳を嘆きながらも、引き続き首相の言葉を追うことにした。

 記者クラブメディアの質問が一通り終わり、NHKの生中継が終わったところで、ようやくビデオジャーナリストの神保哲生氏に質問が当たった。

 神保氏はこの一年間、フリーランスのジャーナリストたちによって繰り返されてきた「記者会見オープン化」の質問を、またもや繰り返した。