「企業ブランディングファンページ」後編の今回は、「動画」を使ったキャンペーンの成功例を取り上げる。

 ソーシャルメディアと動画は相性が良い。人気コンテンツであるだけでなく訴求効果も高いからだ。Facebookファンページにおいても、商品説明やプレゼンテーションなどに活用している企業が多い。

 しかしここにきて、そういったメッセージの発信だけでなく、さらに一歩踏み出した動画の使い方をする企業が現れている。

「あなたのまわりの素敵な人を教えて」キャンペーン

 ジーンズの人気ブランド「リーバイス」は、商品すべてに「いいね!」ボタンを設置したショッピングサイトをいち早く作った企業として有名。Facebookの先進企業として、ファンページでも画期的な試みを取り入れている。

 拙著『Facebookをビジネスに使う本』の事例で紹介した「リーバイスガールキャンペーン」。この夏、キャンペーンガールの募集を動画で行った。我こそはという女子は、ジーンズをかっこよく着こなしている動画(制限2分)を撮って、ファンページ内に用意された動画アップロードができる専用アプリケーションを使ってエントリーする。たくさんの応募の中からリーバイス側でファイナリスト数名を選び、ファンからの「いいね!」で最終投票を行った。

 最もいいね!を集めた優勝者ミーガン・スミスさんの応募動画は、しばらくファンページ上に掲載され、多くのアクセスを集めた。動画を企業側の発信ツールではなく、ファンからの発信ツールとして活用した新しい試みであった。

テレビCMの2倍の効果!人気企業はFacebookで<br />動画をどのように活用しているのか?カメラで自分撮りをした15秒の動画をアップロードできるアプリケーション

 そして今月、リーバイスは新しいキャンペーンをスタートした。「Free Forum(フリーフォーラム)」というタブの中にある「Who Inspires you?(あなたをインスパイアしているのは誰?)」である。

 誰しも、自分の身近にいる人に何かしら影響を受けている。先輩の影響でゴルフを始めた、姉のすすめでこの本を読んだ、など。このキャンペーンは、そういった自分の身の回りの素敵な人や影響を受けた人について動画でシェアをするというものだ。

 専用アプリケーションのスタートボタンを押すと動画録音が始まり、PC用のカメラやWebカメラを使って15秒以内で語り、すぐにその動画をアップロードすることができる。