先日、新聞を読んでいると興味深い記事が目に飛び込んできた。

「みずほフィナンシャルグループ、人事資料で行員の出身銀行を消すことに」 というものだ。それを見て、「やはり、合併は一筋縄ではないな」 と感じた。

 さっそく、同行に勤める知人に聞くと、「社内のうわさで聞いたなぁ。でもそんな単純なものではないよ」と言われた。3つある銀行のトップには、合併した3銀行出身者をそれぞれあてがい、部長・支店長などに至っても、いまだ合併前の3銀行を配慮した人員配置となっている状態が続いてきた。しかしそんな同行も、いよいよ変わろうとしているんだな、と感じた。

 みずほフィナンシャルG(当時はみずほHD)は、2000年に日本興業銀行・第一勧業銀行・富士銀行という日本を代表する銀行の合併で誕生した。ほかの都市銀行も次々と合併したが、強い(大きい)銀行が弱い銀行を吸収するイメージだった。

 しかし、巨大産業を中心に融資を行い日本経済に重要な役割を果たした興銀と、そして都銀の上位行だった2行との3行合併は、当時から「うまく合併ができるのだろうか」 と疑問視されていた。

 そして、冒頭の記事に至る。合併から10年間経った今、各行出身者は一体化を果たすのだろうか。

地銀の数はこれから大きく減少?
都銀だけに留まらない“合併劇”

 1990年代後半から多くの銀行が合併を繰り返した。さらに、合併した新銀行同士が、数年後に再び合併することもあった。その影響で、地方銀行(地銀)はその数を大幅に減らし、現在106行。「これからも合併する銀行があるだろう」と、ある地方銀行員は言う。一方で、今のように各県に数行ずつも地銀は本当に必要か、という議論もある。本店ベースでいうと、東京・静岡・大阪・福岡には4行、それほど経済規模が大きな県でないは岩手・山形・福島・富山・長崎などにも3行ある。