地震は予知できるのか?地震予測に使われる、さまざまな手法とはジュニアエラ 2016年10月号
朝日新聞出版
定価:490円(税込)

 いつ起こるかわからないとされている南海トラフ巨大地震。次の大地震がいつくるのか、どの程度わかるのだろう? 毎月話題になったニュースを子ども向けにやさしく解説してくれている、小中学生向けの月刊ニュースマガジン『ジュニアエラ』10月号で、防災科学技術研究所(防災科研)の林春男先生に地震予知について聞いてみた。

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――地震は予知できるの?

 2、3日後に地震が起きるというような「予知」はまず無理だけど、「予測」はしているよ。今後30年以内に強い地震に見舞われる確率を予測し、発表しているんだ。ウェブサイト「地震ハザードステーション」で、キミが住む街の確率も調べられるよ。東京都47%、横浜市81%、静岡市68%……。

――知るのが怖くなる数字だね。地震の起こりやすさはどうやって調べるの?

 地震は「同じ場所で」「一定の間隔で」「同じぐらいの規模で」繰り返し起こると地震学者は考えている。場所については、主に断層を調べることで、かなりわかってきているよ。どのぐらいの間隔で起きるかについては、海溝型地震では、大体の予測はできる。

――どうやって予測するの?

 古文書など過去の記録から地震の周期を探るんだ。たとえば太平洋沖の南海トラフに沿って「東海」「東南海」「南海」と呼ばれる三つの震源域があり、100~200年おきに海溝型地震が起きているんだ。

――最後に起きたのは1946年か。100年おきだとして、100足すと2046年……あと30年ぐらいで次の地震が起きるかもしれないってこと!?

 よくわかったね。しかも前回、東海地震は起きていないから、東海地震は、いつ起きてもおかしくないんだよ。

――それが静岡市の、地震の確率が高い理由なんだね?

 そのとおりだよ。今、いちばん恐れられているのは、この三つの震源域の断層が同時に動くこと。南海トラフ地震と呼ばれ、最悪の場合、東日本大震災より大きいM9.1の地震が起きると予測されているんだ。