20代~40代の男性は10代よりも
英語の必要性を低いと感じている

英語公用語化なら2割超が「辞めたい」と嘆く中高年社員の悲哀年齢が上がるほど、英語の必要性を感じない人が増える現実。職場で若手の「下剋上」が始まる?

 ハロー。いきなり英語で挨拶してみたが、私は受験勉強の残り香程度の英語力しかない。ある程度のリーディングはできるが、リスニングやスピーキングはからきしだ。センター試験にリスニングが導入されたのは、私が受験したしばらく後のことなので、そのへんのことはほとんど勉強していない。

 そんな英語力にもかかわらず、英語を話す人と言い争いのような状態になったことが人生で3回ある。どうやって切り抜けたか。いずれも私はひたすら日本語でまくしたてた。相手が英語しかしゃべらず、こちらが日本語しかしゃべっていないのを見ると、近くを通りかかった親切な人が通訳を買って出てくれたのだ。人通りのないところで喧嘩しなくてよかった。

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 さて、マイボイスコム株式会社が行った英語教育に関する調査では、「あなたは、英語力の必要性についてどのように感じますか」という質問に対し、「必要性を感じる」「やや感じる」と回答した人がそれぞれ30.4%、29.3%。10代から50代以上まで、幅広い年齢層に対して行った調査だが、10代においては「必要性を感じる」と答えた人は4割を超えている。その一方で、20代~40代の男性では、必要性を感じる人が5割前後と他の層よりも低くなっている。

 楽天やファーストリテイリングが社内公用語を英語にすると発表したのが、2012年のこと。その後も、いくつかの大企業が英語の社内公用語化や、社員に英語の試験を課すことを発表している。そんなニュースを聞いて育っていれば、「英語の勉強しないと就職できないんじゃね」と焦る人も増えることだろう。逆に20代~40代の男性は「うちの会社はこれからも英語使わないよ」と安心していそうだ。カスカスの英語力しかない私が言うのも何だが、ほんとに大丈夫?

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 私が中高生だった頃、2000年代前後では、英語力といえば「英検」だったように思う。面接のときは「メイ・アイ・カム・イン」と言って入室し、言われたことがわからなければ「アイ・ベッグ・ユア・パードゥン」。今でもこの2つのイディオムだけはしっかり覚えている。逆に言えば、それ以外、ほとんどの会話表現は忘れてしまったわけだが。