「企業の強み・思い」と「生活者の本音」を重ねていくと、そこには必ず「答え」があります。いい商品・サービスをつくれば必ず売れるわけではありません。たった1つの図を使って、問題を解決する力を身につけていきましょう。新刊『問題解決ドリル 世界一シンプルな思考トレーニング』より、鳥取県のケースを紹介します。

本連載は、Q&A方式で展開します。1ページ目:質問、ヒント、2ページ目:答え、重ねる技術、企業の強み・思い、生活者の本音、重なりの発見の解説を順に掲載。

「企業の強み・思い」――自社では気づいていない独自性やポテンシャルを発見しましょう。また、社内の常識が邪魔をしてやりたいことができていない本来の思いを再発見することが大切です。
「生活者の本音」――生活者は言葉にしていないだけで、実はまだ満たされていない欲求があります。その不安や不満を発見しましょう。

上記をたよりに、質問からそれぞれを考えてみてください。2つを重ねていくことで、答えが導かれます。求められる答えは、2ページ目冒頭の画像をクリックすれば表示され、問題解決のポイントをあわせて読むと、より理解が深まります。

日本一人口の少ない鳥取県が、自県の可能性を<br />再発見するために行ったこととは?

質問

 鳥取県は全国で人口がいちばん少ない県です。山も海もあり、素材もおいしいにもかかわらず、鳥取砂丘以外に全国的に知られる観光名所や特産品が少ないという課題がありました。そのうえ、鳥取の県民性として奥ゆかしい傾向があり、自分のいいところをPRするタイプではありません。

 そうなると、「素材はいいのに、全国の生活者になかなか伝わらない」という課題に突き当たります。そこで鳥取県はあるプロジェクトを始め、県のよさを再発見することができました。いったいどんなことを始めたのでしょうか。

ヒント

 自分の本来の良さって、なかなか自分ではわかりません