仙谷長官は菅首相の“防波堤”
失った代償は大きい

 注目された民主党の両院議員総会や党大会は想定外の波乱もなく終わった。政局の焦点は、明日(14日)に予定される党・内閣人事に移っている。

 報道によると、党役員と閣僚の骨格人事は既に固まっているようだ。目玉は、官房長官が仙谷由人氏から枝野幸男元幹事長に交代。「たちあがれ日本」を離党した与謝野馨氏を厚労相か首相補佐官に起用。そして仙谷氏を党の代表代行に据えることが内定したらしい。

 やはり問題は仙谷官房長官の更迭。良くも悪くも内閣の大黒柱であった彼が下野すれば菅直人内閣の迷走は一段と深刻にならざるを得ない。

 仙谷長官は、菅首相を守る防波堤の印象が強かった。防波堤が撤去されれば、大波が直接菅首相を襲うことになる。首相には大波小波を手際よくさばく能力が極度に不足している。

 枝野氏は、首相の部下のような立場にあるから、やりやすいことはやりやすいだろう。しかし、現在の困難な状況ではいかにも力不足。内閣にも党にもニラミが効かないから政権運営の司令塔になることはとても無理だろう。

人も情報も集中していた仙谷氏に
首相はいらだちを感じていた?

 メディアの論調は、首相は仙谷官房長官を留任させたかったけれどできなかったという見方で一致している。だが、私はそうだと断言できないと思っている。