欧州の財政問題は依然くすぶっている。新興国のインフレリスクも気になるが、その抑制のために金融が引き締められ、日米の金融緩和策を背景とした過剰流動性がしぼむことはなく、上昇相場は続くだろう。

 そうした状況下、マーケットの注目ポイントはマクロの米国を中心とする経済指標からミクロの日米企業の業績に移っていく。その際、中心となるのは当然、好業績銘柄である。

 ひと足先に米企業の本決算と今期ガイダンスの発表が始まり、国内でも1月の最終週から第3四半期の決算発表が多くなる。

 期を問わず、決算発表の前後でよく見られる風景は、まず米企業で好業績から株価が値上がりした企業と同じ業種の国内企業が物色対象となるというものだ。もちろん、それとは別に好業績が予想される国内企業も物色される。

 一方、第1四半期や第2四半期の決算発表時と異なる点もある。それは足元で業績がよくても為替動向などの不透明要因から通期見通しは現状維持のままにしていた企業が、残りは第4四半期のみということで着地点が見えやすくなることもあり、上方修正をしてくる可能性が高まることではないだろうか。