中日米3カ国を熟知した創業メンバーで
東京発のブランドを展開

 昨年2010年は、10月に麦考林(ECサイト運営)、12月に当当網(書籍を主体としたECサイト運営)と優酷(動画配信サイト運営)が米ナスダック市場に上場するなど、中国ネット業界の大型上場が相次いだ年だった。

 この上場ブームは、1990年代の中国3大ポータルの上場、04~05年の盛大、騰訊、百度などの上場、07年のアリババの上場に続く、中国企業の海外上場の「第4波」と言われる。2011年もこの流れは続き、凡客誠品VANCL(ECサイト運営)や人人網(SNSサイト)などを運営する千橡互動(Oak Pacific Interactive)の大型上場が控えている。

 第4波の企業群には、VANCLや当当網等、EC事業関連が多いのが一つの特長だ。中国EC市場の黎明期から運営している先行企業が、経営のオプションとして、海外市場での上場を選択するステージに達したこと自体が、中国EC市場の好調と将来性を証明しているとも言える。

創業者の一人は日本人!<br />東京発ブランド「LAMIU」が<br />中国の女性用下着EC市場で快進撃を続ける訳共同創業者のCEOの董路氏(左)とCBO(Chief Branding Officer)の金津大輔氏(右)

 今回は、この成長著しい中国EC業界にて、2008年から女性用下着を中心としたアパレル・ブランド「LAMIU」でEC事業を展開する、優品生活(北京)科技有限公司(以下、LAMIU)を取り上げる。2010年の年末に、同社の本社がある北京オフィスにて、創業者兼CBO(Chief Branding Officer)の金津大輔氏に、今後の事業戦略について聞いた。

 筆者が注目する同社の特長は以下の3点だ。

1)日本人が創業者として参画している本格的な中国EC事業者であること 2)製造小売(=SPA)モデルのEC事業であること
3)東京発のブランドを冠した中国の女性向けアパレル商品の販売で順調に売り上げを伸ばしているということ