男の更年期障害を克服する3つの生活習慣加齢に伴い、心の不調を感じませんか?身体だけでなく心の健康にも影響があるのは男性の更年期障害の特徴です

多くは40代で発症

 睡眠リズムの乱れから夜中に目が覚めて眠れない、朝の勃起が見られなくなった、日常生活でやる気が出ない、集中力・判断力・記憶力が低下している、怒りっぽくなってきた、皮膚がたるむ、シワが出てきた…。加齢によってこうした変化を感じている方も多いと思います。これらの症状の原因は一言に「加齢」で片づけられることが多いのですが、実は加齢によって引き起こされる「更年期障害」の症状かもしれません。

 これまであまり指摘されませんでしたが、最近になり、女性だけでなく男性にも更年期障害があることが注目されるようになりました。女性の更年期障害は閉経時期の特有の障害であるのに対して、男性の場合はもう少し複雑です。

 男性の場合は、女性の閉経のようなはっきりした体の変化が現れず、個人差があり、更年期症状もはっきりしません。さらに身体だけでなく心にも大きなトラブルが発生するという特徴があります。発症時期も、おおむね40歳以降ですが、60歳、70歳代で初めて発症する場合もあります。

 そして女性の更年期障害は一般的には数年で終わるのに対して、男性は長期間にわたって続く可能性があります。体や心の様々な障害も長引くことがあり、働き盛りの世代にとってはその対策が重要な課題と言えます。

 更年期障害が発症する原因は、急激なホルモンの枯渇です。中でも「性ホルモン」の分泌量の低下が主な原因で、男性ホルモン(アンドロゲンと呼ばれます)の分泌は20歳代をピークにしてそれ以降は右肩下がりとなり、50歳代を過ぎるとさらに激しく減少します。

 男性ホルモンはさらに複数のホルモンに分類され、その中で大部分を占める「テストステロン」の分泌量が低下すると男性の更年期障害が引き起こされます。

 そもそもホルモンとは、脳下垂体、甲状腺、副腎、膵臓、精巣、卵巣など様々な器官で産生・分泌されて血液などの体液を通じて全身をめぐる生理活性物質のことですが、身体がうまく快適に機能するために必要不可欠な物質です。私たちの意志に関係なく多彩な役割を果たしている一方で、複雑なメカニズムで制御されています。ですので、ホルモンを産生・分泌するシステムが壊れたり、分泌量がわずかに変化しただけで、複数の悩ましい症状が発症してしまいます。更年期障害では、性ホルモンのほか、成長ホルモンやDHEAなど他のホルモンの分泌の低下も関連するため、症状がはっきりせず、対策が難しくなります。