東海道のほぼ中間に位置する政令指定都市・浜松市は、最先端産業・技術の集積地としても知られる。「やらまいか」に象徴されるチャレンジ精神と温暖な気候に恵まれた、研究開発型拠点の好適地だ。浜松市の産業立地としての魅力の源泉と新たに分譲される大規模工場用地に寄せる期待について、鈴木康友浜松市長に聞いた。

鈴木康友 浜松市長

 「浜松市や周辺地域からは、世界に勇躍する内発型企業が多く出ています」と、浜松市の鈴木康友市長は切り出した。確かに、ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワイ──これらの世界ブランドはみな、この地域で誕生している。その要因について、鈴木市長は「浜松の立地と環境にあるのではないか」と語る。

 浜松市は東京・大阪を結ぶ東海道のほぼ中間に位置。東海道新幹線や東名高速道路が通るほか、新東名高速道も開通予定だ。中部国際空港にもほど近く、もちろん太平洋岸には良港が控える。国内はもとより、世界市場も視野に入れることのできるロケーションだ。

浜松市は、今年7月に市制100周年を迎える
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 江戸時代、綿織物や製材が盛んだったこの地域では、明治の東海道線開通の頃より、輸送機器や楽器、光産業が発展していった。日本の産業近代化と歩みを一にして、浜松には時代の最先端を支える技術が集積していったのである。

 自然環境にも恵まれている。太平洋岸特有のおだやかな気候で、高い晴天率を誇る。教育・文化・医療といった都市機能も揃い、「トータルして“住みやすい街”と評価されています」と、鈴木市長も胸を張る。転勤で浜松市に移り住んだ人が、そのまま終の棲家としてしまうことも珍しくないという。